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私のこだわり(1)金継ぎ

2015年02月14日

  • 「金継ぎ」で陶磁器を修繕する丸山史晃さん

    「金継ぎ」で陶磁器を修繕する丸山史晃さん

 
和食料理人・丸山史晃さん(42)=割烹くいしん坊=
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 割れたり欠けたりした陶磁器を漆で接着して、継ぎ目に金粉や銀粉をつけて修繕するのが金継ぎです。10年ちょっと前ですかね。本を2〜3冊買ってきて、ネットで調べて。独学で始めました。
 店でお客さんにお出しする器は江戸時代のものとか割と多いんですよ。一番古いものだと安土桃山の頃の皿もあります。以前は少しでも欠けると捨ててたんですけど、もったいないなと思いまして。
 まずは破片を継ぐ順番を考えます。間違えると入らなくなってしまうので、パズルみたいなもんです。一番大変なのは破片がなくなってしまっているときです。盛り固めた漆をカッターと紙やすりで削り、削り過ぎるともう一度漆を盛って削り直すという作業を繰り返して元の形を目指します。器は一度割れると、器自体が持っていたゆがみが解放され、もともとの張りや反りが失われてしまいます。微妙なラインや湾曲を復元するのはとても難しいです。
 月1回2〜3時間くらいですかね。店が休みで、気持ちがリラックスできているときしかしません。漆が硬化するのに何カ月もかかり、ひとつひとつの工程にとても時間がかかるので、完成に半年から一年は要します。同時に何点かずつ作業します。これまでにだいたい50点くらい修繕したでしょうか。常連のお客さんから頼まれて直したのもあります。
 出来上がったときですか。そりゃ、うれしいですよ。また使えるなと。器は大事に使えば人よりも長く世の中に残ります。金継ぎは日本独自の文化で、修理した後の継ぎ目は「景色」とも呼ばれます。使い捨ての時代ですが、昔の日本人が持っていた「物を大切にする心」を見習いたいと思っています。
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掲載紙面(PDF):

2015年2月14日(2123号)4面 (12,912,033byte)


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