2015年03月07日
【自尊心を傷つけないで】
子どもの自尊心を傷つけないこと。子育てにあたって守らなければならない一番大切なことは、これです。
「どうせあなたなんか、がんばったところでできやしない」
子どもにこのようなことを言ったことがありませんか。言わなくても、思ったことはありませんか。そのような大人の気持ちを子どもは敏感に、一直線に感じとるものです。
「あなたはがんばったらできる」
こう励まされた子は、持っている力を十二分に発揮し、できるようになることが多いものです。「がんばれ、がんばれ」と励まし、できたときには「ほら、できたじゃない」といっしょに喜んでやること。このようなまわりの見方と、やればできたという事実が「私はがんばったら、できる子なんだ、有能なんだ」といった自分に対する肯定的で、積極的な見方を育てることになります。自尊心、自尊感情を傷つけず、育てるということは、こういうことなのです。
子育てには、母性的な愛と父性的な愛が不可欠といわれますが、母性的な愛とはこのように、何があってもわが子はいい子、できる子、有能な子と、子どもを受け入れる愛です。子育ては、まずここから始まります。そしてやがて、約束やきまりが守れ、役割が果たせるいい子がわが子といった父性的な愛が必要となり、これらが相まって健全な成長が実現するのです。
水戸黄門の決めぜりふ「このお方をどなたと心得おる」「こんな力をもったすごい方なのだぞ、それに気づかぬのか」と、子どもたちは言いたいのです。自分のよさや能力に自信のない子、気づいていない子には「あなたには、こんなすてきなところがあるのよ」「そこがお母さんは大好き」と、ほめて励ますことがとても大切です。(関西福祉大学・学長)
[ かしこい子育て ]
掲載紙面(PDF):
2015年3月7日(2126号)4面 (12,919,077byte)
コメント
※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。