2015年04月11日
織りに適した太さにするためにアコウコットンを合糸する根来節子さん
小田中久良子さん(左)の協力で行った染色作業
地元産の原材料にこだわった赤穂緞通の制作プロジェクトを進めている古浜町の根来節子さん(64)の元へ赤穂産綿花から紡いだ綿糸がこのほど届いた。天然由来の染料で自家染色して、早ければ5月中にも織りに取りかかる予定だ。
「地産地消で農業と伝統工芸の活性化を図りたい」(根来さん)との趣旨に「大正紡績」(大阪府阪南市)が賛同。昨秋から年明けにかけて市内の畑で収穫したコットンボール10・3キロを預かり、重さ4キロ分の糸に加工した。
根来さんは、知人の岩本好司さん(66)が手作りした機械で20本ずつ合糸して一束200グラムと100グラムの「綛」にまとめた。草木染めに詳しい元就実短大教授の染色研究家、小田中久良子さん(81)=朝日町=の監修で5日から糸染めを開始。初日には栗の渋皮、ヤシャブシの実、マリーゴールドの花びらを原料に茶色、ねずみ色、橙色の3種類に染色した。
どのような文様に制作するかイメージをふくらませ、「もう数種類、別な色の糸も作るつもり」という根来さん。「栽培、収穫、紡績、染色と、それぞれの場面で協力者があったおかげで出来た糸。おろそかにせず、気持ちを込めて織り上げたい」と抱負を話している。
[ 文化・歴史 ]
掲載紙面(PDF):
2015年4月11日(2131号)1面 (10,696,364byte)
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