2015年05月16日
火災から1年が経過した木津の山火事跡
昨年5月に山林約69ヘクタールを焼失した木津の山火事跡で、土砂災害警戒区域に該当する範囲について兵庫県が斜面崩壊や土石流の被害を防止するための対策工事の実施を検討していることがわかった。県光都土木事務所の河川砂防2課は「今年9月ごろを目標に事業化の調整を終えたい」と話している。
赤穂市は火災翌月の昨年6月、地元自治会の意向を受け、早期対策を求める要望書を県へ提出した。県は基礎調査を行った上で12月、山火事跡の谷筋を「土石流発生の危険がある」として土砂災害警戒区域(イエローゾーン)に指定。また、谷筋の西側にあり、すでに警戒区域になっていた急傾斜地の指定範囲を拡大した。
同課の話では、土石流の危険がある箇所は砂防堰堤、急傾斜地については待ち受け擁壁や法面工を施す方向で検討中。本庁との調整がつけば事業化のための現地調査に入るという。
整備にかかる費用は県予算と国補助でまかなわれるが、急傾斜地の対策工については市が事業費の1割または2割を負担し、その一部を受益世帯に請求する。市は一戸当たりの請求額を「上限5万円」と要綱で定めている。
山火事から一年。現場は今も黒く焼け焦げた樹木が立ち枯れ、ところどころ岩石が見える。斜面の下に自宅がある住民によると、大きさは不明だが落石が家の外壁に当たって「ドン」と音がすることがしばしばあるという。県は「今すぐ大きな落石や崩落が発生する可能性は低い」(同課)との判断だが、住民は日々不安を感じながら暮らしている。
一方、赤穂市は昨年5月と6月、9月に現地確認。市建設課農林水産施設係によると、幹枝が焼けても根が生き残っていれば、「新たに植樹するよりも早く森林が再生する場合もある」ことから、萌芽の状況を確認するための定点観測地点を山頂部、中腹部、山麓部に2カ所ずつ県と共同で設けた。今年度は植生調査を行う予算として400万円を計上。専門家の意見を参考にしつつ観測を重ね、自然再生を図る範囲と植樹を必要とする箇所を見極める。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2015年5月16日(2135号)1面 (10,326,634byte)
コメント
受益世帯とはどの範囲なのか?周知方法は何で知らせてくれるのでしょか?
5万円は一括ですか?(大金なので)
投稿:梅ちゃん 2015年05月17日
対策をするのは賛成だか、原因を作った方にも負担させるべきでしょう。地域の住民が出さざる得ない五万円×世帯数は出すべきでは?
投稿:税金 2015年05月16日
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