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友道師にダービー初戴冠の好機

 2016年05月27日 
日本ダービーで頂点を狙う友道康夫調教師とマカヒキ号
 競馬の第83回日本ダービー(5月29日、東京競馬場、芝2400メートル)で、坂越出身で赤穂観光大使の友道康夫調教師(52)に同レース初優勝のチャンスが巡ってきた。
 送り出すマカヒキ号(牡3)は4戦3勝、2着1回と好走を続け、優勝候補の一角。「レースを重ねるごとに馬がしっかりしてきた」(友道師)と状態は万全で、「力を出せば結果はついてくる」と期待を高めている。
 日本ダービー(東京優駿)は日本中央競馬会(JRA)が主催するレースで最も格付けの高いGI競走の一つ。同じ年に生まれた3歳馬の頂点を決める「競馬の祭典」として知られる。友道師は過去3度挑戦し、10着、12着、10着。7年前には1番人気のアンライバルド号で臨んだが、大雨でぬかるんだ馬場で実力を出せず涙をのんだ。
 マカヒキは、GI7勝を挙げた名馬・ディープインパクトを父に持つ血統で昨年10月にデビューした。3連勝で臨んだ先月のさつき賞(GI)は後方待機から父譲りの鋭い決め脚を発揮。前団から伏兵馬に抜け出され優勝はならなかったが、過去3戦と同じくラスト600メートルのタイムは出走馬中最速で、さらなる飛躍を予感させる内容だった。
 前走後も放牧に出さずに友道厩舎がある栗東トレーニング・センター(滋賀県栗東市)で調整を続けた。疲れを残さないように配慮しつつ、じっくり乗り込んで鍛えたという。25日の調教でも抜群の伸びを見せ、友道師は「今までで一番いい状態で来ている」と仕上がりに自信を深めている。
 今年の3歳馬は「他の年なら断トツで一番になれる馬が3〜4頭いる」と言われるほど世代のレベルが高いという。勝負の舞台となる東京競馬場は最後の直線が長く、追い込み型の馬に有利なコース。当日の天候も大きな崩れはなさそうで、友道師は「この馬の走りをしてくれれば大丈夫」と力を信じている。
 ダービーは午後3時40分発走。マカヒキは2枠3番ゲートからスタートする。
 友道師のインタビューは次のとおり。
   * * *
−マカヒキ号を初めて見たのは?
 「2年くらい前、1歳の9月ごろだったですね。オーナーの金子真人(まこと)さんから、『この馬お願いします』って連絡があって」

−どんな馬ですか
 「落ち着きのある馬。飼い葉の食べ方も上品で。普段厩舎にいるときはおとなしくて、競馬のときだけスイッチが入る。オンとオフの切り替えが上手にできる馬ですね。あと、体重が500キロ近くあって、ディープインパクト産駒にしては大きい」

−走りの特長は?
 「何と言っても瞬発力。(2009年のさつき賞を勝った)アンライバルドも瞬発力はすごかったけど、この馬は特別。普通の馬に比べて脚の可動域が大きいです。わかりやすく言うと、一歩のストライドがすごく大きい。あと、実際に乗ったジョッキーの話だと、『乗り心地が違う』らしい。車に例えるなら高級車。ゆったり走っているように見えるんだけど、時計(スピード)は出てる」

−強さを感じたのは
 「体を絞らずにレースに出て勝った新馬戦(デビュー戦)も予想以上の強さだったですが、初めて一線級の馬たちと一緒に走った弥生賞(3戦目)ですね。前年の2歳チャンピオン(リオンディーズ)と2着馬(エアスピネル)にあっさり勝ったんで、やっぱり強いなと。あれで手応えを感じました」

−さつき賞は惜しくも2着でした
 「あのときはリオンディーズ、サトノダイヤモンドとで『3強』って言われてて、ジョッキーも2頭だけをマークしてたと思うんですよね。勝った馬(ディーマジェスティ)は眼中になかった。その辺の兼ね合いで位置取りも変わるんで。競馬は難しいですね。負けはしたけど、マカヒキの走りはしたんで納得はしてます」

−どのように育てていますか
 「食べ物とか基本的に他の馬と同じですよ。調教は今のところ7〜8分目くらいですかね。真面目な馬なんで、やればやるだけ走っちゃう。なので、調教で目一杯走らせたことはありません。それでも速い」

−もっと鍛えたら強くなる?
 「調教をハードにすればよいというものでもないんです。いかに疲れを残さずレースにもっていくか。その馬の個性や体調を見ながら、バランス良く育てていこうと思ってます」

−マカヒキにとって東京競馬場は初めてですね
 「広くて直線の長い東京競馬場は、まぎれが起きにくくて強い馬が勝つコース。普通に回ってきてくれたら、結果は出ると信じてます」

−左回りのコースも初めて
 「栗東トレセンは普段は右回りなんですが、火曜日と日曜日は左回りになるんです。そのときの走りを見ていても問題ないんで大丈夫だと思います」

−ダービーでのライバルは?
 「やっぱり、ディーマジェスティとか、サトノダイヤモンド、リオンディーズとかは気になりますよね。やっぱり」

−作戦は?
 「競馬はジョッキーに任せてるんで。僕からは馬のクセは伝えますけど、騎手に『ああ乗ってくれ、こう乗ってくれ』みたいに言うことはないです。ジョッキーが一番わかってますから。金子オーナーもまったく口出ししません」

−ジョッキーは、さつき賞に続いて川田将雅(かわだ・ゆうが)騎手ですね
 「けっこう自信持ってるみたいですよ」

−友道師にとってダービーは4度目
 「競馬をやってる者にとっては特別なレース。特に今年はレベルの高い世代。この中で勝てれば最高ですね」

−フランスのGI・凱旋門賞(10月)にもマカヒキを登録しました
 「オーナーとの間では、さつき賞の前くらいからだったかな、『凱旋門賞、登録しようね』って。今回のダービーでいい結果なら、出ることになると思います」

−赤穂の人たちにメッセージを
 「赤穂からも声援を送ってマカヒキを後押ししてやってください!」
   * * *
◎取材を終えて=馬房を訪れたとき、マカヒキ号はちょうど飼い葉を食べていた。記者がカメラを向けると、桶から顔を上げてこちらを向いた。とても賢そうな目をしていた。
 「調教は7〜8分目」というものの、馬体はキリリと引き締まって毛づやはピカピカ。まさしく「サラブレッド」と呼ぶにふさわしいオーラで輝いていた。
 この日は馬房でリラックスしていたが、レースになると気配が一変するのだという。「普通に回ってきてくれたら、結果は出ると信じてます」と語る友道師の言葉の端々にマカヒキへの信頼が感じられた。
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掲載紙面(PDF):
2016年5月28日(2186号) 1面 (11,456,690byte)
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コメント

友道先生
やりましたね!
マカヒキ おめでとうございます!

1  0

投稿:ねこあし 2016年05月29日

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