「お試し暮らし」体験して2組移住
2018年01月13日
「赤穂での生活に満足しています」と語る西村さん夫妻
市のまとめでは、初年度に利用した16組のうち実際に2組が赤穂へ移住。今年度は12月末までに26組が利用し、さらに4組が申し込んでおり、定住促進への効果が期待される。
お試し暮らし住宅は、移住を検討している人に赤穂での住み心地を体験する機会を提供し、定住につなげようと平成28年秋に開設。家電や布団、食器などを備えた海浜町の一戸建て家屋(木造平屋建て3LDK)を2泊3日〜13泊14日の間で1日1000円で貸し出している。
同課によると、これまでに42組(96人)が利用し、平均日数は5〜6日。東北から九州まで15都府県から利用があり、大阪府が最多で全体の36%を占める。年代別では60代(17組)が最も多く、次いで40代(11組)となっている。利用後のアンケートでは7組が「すぐにでも移住したい」と回答。「いずれは移住したい」「移住したいが時期は未定」を合わせると、95%が赤穂への移住に前向きな考えを示した。
お試し暮らし住宅を利用して実際に赤穂に移住した2組に話を聞いた。
西村淳一さん(63)は一昨年11月、妻利恵さん(58)と夫婦でお試し暮らし住宅を利用。数年前から望んでいた「瀬戸内沿いでログハウス暮らし」を叶えようと、候補地をインターネットで探していたところ、赤穂市のホームページに行き当たったという。
滞在中に街中を巡り、「空が大きくて気持ちがいい」と環境にひかれた。希望に合う物件も見つかり、約3カ月後に明石市内のマンションから木津へ引っ越した。まちおこしプロデューサーの淳一さんは滋賀県米原市へ週2〜3回通う必要があり、「新快速でつながっていることも大きかった」という。
谷口貴洋さん(48)は妻沙恵子さん(39)と長女千夏ちゃん(2)の家族3人で滋賀県大津市から昨年4月、板屋町に移り住んだ。「子どもをゆったりした環境で育てたい」と子育て支援策に積極的な自治体を探す中、赤穂市も候補に。お試し暮らし住宅があることを知り、昨年1月に利用した。2カ月後に両親にも同行してもらって再び来穂して住みやすさを確かめた。「気候が温暖で飲み水もおいしい」。希望する夜勤のない福祉系の仕事もすぐに見つかり、移住を決心した。
両家族とも、「お試し暮らし住宅があったから、『まずは一度行ってみよう』ということになった」と話している。市は多様なライフスタイルを体験してもらえるようにと「農村部あるいは市中心部に新たなお試し暮らし住宅を」と検討に着手しており、「利用された方の声を反映させながら制度の充実を図り、定住促進につなげたい」(市民対話課)と話している。
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2018年1月13日(2262号) 1面 (14,117,413byte)
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