《福浦産廃》「中止すべき」専門家が警鐘
2018年06月14日
福浦の産廃処分場建設計画地の地質について説明する紺谷吉弘氏
専門家らは計画地に破砕帯を伴う断層が分布し、海まで達していることを指摘。処分品目がダイオキシンを含む焼却灰に限定されている点にも触れ、「海洋汚染の危険があり、計画は問題を抱えている」との見解を表明した。
学習会は「赤穂の環境を守る会」(川西康行代表)が主催。4年前に計画地の現地調査を行った「国土問題研究会」(京都市中京区)から理学博士の紺谷吉弘氏(72)ら2人を招いた。
地質学を専門とする紺谷氏は、現地調査で判明した断層の位置や長さを説明。赤穂市域全体が火山噴火でできたカルデラ跡であることに触れ、「熱水変質の影響で岩石の節理面がシャープになっており、崩落しやすい」と解説した。また、計画地が海水面よりも10メートル低いところまで採石され、「断層が海に達しており、塩水の湧出を防ぐことができない」と問題点を語った。
同研究会理事で化学に詳しい長野晃氏(74)はダイオキシンの毒性について講演。東京都内の自治体が運営する焼却施設で発生したダイオキシンの動向を調査したところ、9割以上が焼却灰に含まれることがわかったという。長野氏は、約204万立方メートル分の焼却灰を断層のある採石場跡地に埋立処分する計画概要について、「聞いてびっくりした」と話し、「漁業者をはじめ住民が納得できる根拠がなければ中止すべきだろう」と結論付けた。
加里屋まちづくり会館で行われた学習会には会員ら約30人が参加。参加した女性は「ダイオキシンは目に見えないので恐い。計画の危険性をもっと多くの人に知ってほしい」と話した。
<前の記事 |
関連サイト:
【関連記事】4年越しに回答書「焼却灰に限定」
掲載紙面(PDF):
2018年6月16日(2281号) 1面 (9,289,565byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
美化センターが当面の再発防止策 [ 社会 ] 2015年11月24日住民と高校生が“共助”訓練 [ 社会 ] 2015年11月22日駐在所勤務員の家族を慰労 [ 社会 ] 2015年11月22日戦没者追悼 平和の誓い新た [ 社会 ] 2015年11月20日《御崎メガソーラー問題》地元説明会の開催決定 [ 社会 ] 2015年11月19日関電説明会 即答できず時間切れ [ 社会 ] 2015年11月18日本体竣工間近の金出地ダム見学 [ 社会 ] 2015年11月17日《目坂崩落訴訟》控訴審判決 市の訴え棄却 [ 社会 ] 2015年11月16日《御崎メガソーラー問題》「調整池設置義務なし」県判断 [ 社会 ] 2015年11月14日関電アセス 県が専門家会議に諮問 [ 社会 ] 2015年11月12日「ボイラー最新でない」NPO指摘 [ 社会 ] 2015年11月11日アセス概要書「印刷不可」の設定 [ 社会 ] 2015年11月11日関西電力が自主アセス概要公表 [ 社会 ] 2015年11月11日市民健康大学講座 46人に修了証書 [ 社会 ] 2015年11月09日かきまつり「中止」のピンチ [ 社会 ] 2015年11月07日
コメントを書く