《高野産廃》議会への事前説明と異なる条文で協定
2019年03月11日
高野の安定型産業廃棄物最終処分場について赤穂市が事業者と結んでいる環境保全協定で、市当局から議会へ事前説明された協定案では「(展開検査状況の記録を)翌月末までに市に報告すること」となっていた部分が、実際の協定では「必要に応じて記録の提出を求めることができる」という条文で締結されていたことがわかった。
展開検査とは、廃棄物を埋め立て処分する前に搬入車両から降ろしてひろげ、許可品目以外のものが混入・付着していないか目視で確認するもので、省令で安定型最終処分場に義務付けられている。
協定については2015年11月と12月の市議会民生生活委員会協議会で話し合われ、市当局が提示した協定案では展開検査について、「搬入の都度、写真撮影し記録を行うこと」とした上で、「前月の展開検査状況の記録を、翌月末までに市に報告すること」となっていた。議事録によれば、担当課長(当時)は「事業者だけの監視だと何を入れているかわからないと言われることもあるということで事業者は自ら写真撮影して報告するということまで定めている」と説明。また、担当部長(当時)は「展開検査の写真は当然展開検査するごとに報告があり、その内容ごとに写真も添付する…」とまで述べた(当時の担当部長の発言について、現市民部長は「勘違いによるもの」とこのほど本紙に説明した)。
ところが、2016年1月に市が事業者と調印した協定の条文は、「展開検査状況の記録について、市は確認し、必要に応じて記録の提出を求めることができるものとする」となり、さらに、「事業者は、前月の埋め立てた産業廃棄物の種類及び数量を、翌月末までに市に報告するものとする」という項目が追加された。この条文だと、処分した産廃の「種類及び数量」は翌月末までに報告するものの、「展開検査の写真」は市の求めがなければ提出しなくてもよいと解釈できる。
翌月末までの報告を求めるものを「種類及び数量」に限定した理由について、市環境課は赤穂民報の取材に、「種類と数量の報告を受ければ、写真がなくても、展開検査が適正に実施されたことを確認できる」と回答。議会に示した協定案と異なる条文になったことについては「事業者との協議の中でそうなった」と話した。
議会事務局によると、最終的に事業者と締結された協定について、市当局から議会への報告はなく、当時の民生生活委で副委員長だった木下守議員は、「(締結された協定は)協議会で説明を受けたものとは異なる表現になっている」と驚き、「種類、数量と同時に写真の提出も求めるべきだ」と話した。
協定の締結は2016年2月に開かれた赤穂市環境審議会でも市当局から報告されたが、議会説明時と同じ資料が配布された。同課は取材に「よりわかりやすくするために要約した」と取材に答えたが、萬代新一郎会長は「審議会で配られた資料が協定そのものと思っていた。協定というものは、ひらがな一文字でも意味が変わる。なぜ実際の協定と異なる文書を配ったのか市当局は説明すべき」と話した。
同処分場をめぐっては、今年1月に最初の産廃埋め立てが行われ、事業者は「うっかりしていた」として展開検査状況の写真を撮影していなかった。
関連サイト:
【関連記事】初回から協定不履行 展開検査撮影せず
掲載紙面(PDF):
2019年3月16日号(2317号) 3面 (11,079,937byte)
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展開検査とは、廃棄物を埋め立て処分する前に搬入車両から降ろしてひろげ、許可品目以外のものが混入・付着していないか目視で確認するもので、省令で安定型最終処分場に義務付けられている。
協定については2015年11月と12月の市議会民生生活委員会協議会で話し合われ、市当局が提示した協定案では展開検査について、「搬入の都度、写真撮影し記録を行うこと」とした上で、「前月の展開検査状況の記録を、翌月末までに市に報告すること」となっていた。議事録によれば、担当課長(当時)は「事業者だけの監視だと何を入れているかわからないと言われることもあるということで事業者は自ら写真撮影して報告するということまで定めている」と説明。また、担当部長(当時)は「展開検査の写真は当然展開検査するごとに報告があり、その内容ごとに写真も添付する…」とまで述べた(当時の担当部長の発言について、現市民部長は「勘違いによるもの」とこのほど本紙に説明した)。
ところが、2016年1月に市が事業者と調印した協定の条文は、「展開検査状況の記録について、市は確認し、必要に応じて記録の提出を求めることができるものとする」となり、さらに、「事業者は、前月の埋め立てた産業廃棄物の種類及び数量を、翌月末までに市に報告するものとする」という項目が追加された。この条文だと、処分した産廃の「種類及び数量」は翌月末までに報告するものの、「展開検査の写真」は市の求めがなければ提出しなくてもよいと解釈できる。
翌月末までの報告を求めるものを「種類及び数量」に限定した理由について、市環境課は赤穂民報の取材に、「種類と数量の報告を受ければ、写真がなくても、展開検査が適正に実施されたことを確認できる」と回答。議会に示した協定案と異なる条文になったことについては「事業者との協議の中でそうなった」と話した。
議会事務局によると、最終的に事業者と締結された協定について、市当局から議会への報告はなく、当時の民生生活委で副委員長だった木下守議員は、「(締結された協定は)協議会で説明を受けたものとは異なる表現になっている」と驚き、「種類、数量と同時に写真の提出も求めるべきだ」と話した。
協定の締結は2016年2月に開かれた赤穂市環境審議会でも市当局から報告されたが、議会説明時と同じ資料が配布された。同課は取材に「よりわかりやすくするために要約した」と取材に答えたが、萬代新一郎会長は「審議会で配られた資料が協定そのものと思っていた。協定というものは、ひらがな一文字でも意味が変わる。なぜ実際の協定と異なる文書を配ったのか市当局は説明すべき」と話した。
同処分場をめぐっては、今年1月に最初の産廃埋め立てが行われ、事業者は「うっかりしていた」として展開検査状況の写真を撮影していなかった。
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コメント
議会も審議会も(更には市民をも)だました。 あるいは知らないうちに市役所と業者が相談してなし崩しの骨抜きルールにしていた、という事ですよね。
そりゃ、事業者も初回から「うっかり」写真を撮るの忘れるはず。
こんな事では、もし福浦に産廃が建設された暁には、いま市役所が説明している約束事も、守られないと思った方がいいという事ですね。
市長さん、市民としてはこのように理解をしていたら良いのでしょうか? 是非見解を伺いたいものです。
赤穂民報さんには続報を期待しています。
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投稿:やっぱり産廃反対 2019年03月12日市職員が、議会事務局に出したのが、何故最終迄同じ文章にならないのか?
ここの処分場、我々の飲水に関係大有りなんです。
何か、知らない処で、変な忖度が働いているのでしょうか?
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投稿:どうも?? 2019年03月12日コメントを書く