義士も暮らした江戸藩邸の絵図発見
2008年12月05日
初めて見つかった赤穂浅野家江戸藩邸の絵図
絵図は、若狭野浅野家の子孫が昨年同館に寄贈した数千点に及ぶ史料群の中にあった。
いずれも縦約232センチ、横約144センチ。色紙大の和紙をつなぎ合わせた台紙に、部屋の形に切った色紙を貼り付けたもの。
発見時、一部の色紙がはがれ落ちていたが、のりの痕跡などを頼りに修復。色紙は青、黄、茶があり、部屋の名称や居住者名が書かれていた。何らかの分類のために色分けしたとみられ、修理中の部屋は白紙を貼っていた。
玄関から反時計回りに使者の間、大書院、小書院、中奥、奥向がある全体的な配置は赤穂城本丸御殿とほぼ同じ。市村高規学芸員は絵図の制作時期について、「門構えが小さく質素。藩邸が全焼した明暦の大火(1657年)から藩の取りつぶし(1701年)までの間に作られたのでは」と推測する。
義士の一人、堀部安兵衛が実父の親友に宛てた書状には、浅野内匠頭が切腹した日の夜、「裏方の水門から町人40−50人が屋敷に侵入し、家財を奪おうとしたので追い払った」との記述があるが、今回見つかった絵図でも敷地の南端に水門が確認された。
市村学芸員は「解読が進めば、さらに義士の名前が見つかる可能性もある。元禄事件にまつわる出来事を指し示すことができ、忠臣蔵ファンなら興味をそそられるのでは」と話している。
特別公開は来年1月12日まで午前9時〜午後5時。月曜休館。入館料は一般200円、小〜大学生及び65歳以上100円。Tel0791・63・0907。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2008年12月6日(1824号) 1面 (9,448,123byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 文化・歴史 ]
「日本塩業研究の父」足跡を回顧 [ 文化・歴史 ] 2013年07月10日能に新風「世阿弥」好演 スーパー能「世阿弥」公演迫る 森家ゆかりの本源寺 国重文へ [ 文化・歴史 ] 2013年07月02日勾玉作りなど特別体験教室 10月開催 ル・ポン国際音楽祭 復活して10年「お田植祭」 [ 文化・歴史 ] 2013年06月24日「絵画を楽しむ会」ギャラリー展 [ 文化・歴史 ] 2013年06月24日華やかに「乾杯」30回目の定演 [ 文化・歴史 ] 2013年06月23日文様に感動、雲火焼の作陶体験 [ 文化・歴史 ] 2013年06月23日赤松氏一族の歴史を学ぶ 「塩田案内人」受講者10人募集 夏休み子ども茶道教室 鳥井の「曳きとんど」29年ぶり復活へ [ 文化・歴史 ] 2013年06月18日「感謝」テーマに千種会書展 [ 文化・歴史 ] 2013年06月16日
コメントを書く