【社説】赤穂市議会の「真摯」に注目する
2020年01月25日
「市民の負託に的確に応え、もって市民福祉の向上及び市政の発展に寄与する」
赤穂市議会が5年前に定めた「赤穂市議会基本条例」の第1条にある文言だ。本来は市民にとって大切な市議会議員の人数を現行の18人から16人に削減するよう、赤穂市自治会連合会が要望書を出している。
一般に「議会は行政のチェック機関」とも言われる。しかし、振り返ってみると、例えば、経営破綻で税金から27億3000万円を補填する羽目になった市の第3セクター事業のJR播州赤穂駅周辺整備事業を止めることができなかった。西有年産廃処分場計画は報道で明らかになるまで議会としての動きはなかった。市職員が2人逮捕された入札不正は見抜けなかった。市民病院の赤字額はふくらんでいる。
自治会連合会が議員定数削減の要望書を提出した背景には、「結局チェックできていない」「行政の追認機関に過ぎないのではないか」といった不信感があるのではないか。いわば事実上の「議会不信任」を突きつけたとも言える。
要望書が出されたのは昨年10月4日。「各議員の意見を聴取するため」の議員全員協議会が開かれるまで約3か月半を要した。「真摯に受け止める必要がある」というのなら、なぜ、もっと迅速に対応しなかったのか。また、要望書を受け取った時点で任期はまだ1年半あったのだから、「時間的に困難」という言い訳は市民の理解は得難いのではないか。
議員のみなさんにも言い分はあるだろうし、また説明責任もある。要望書によって市民の関心が高まっている今こそ、赤穂市議会が果たしている役割を市民にアピールして理解を求めてはどうか。その意味でも、各議員が考えを述べた今回の全協は公開で開いてほしかった。
要望書には、「議員の活動が見えにくい」との意見も書かれていた。議会は3月末までに文書で回答するとしている。回答へ向けてどういった活動をするのか注目したい。
関連サイト:
【関連記事】議員定数協議「現状維持」が大半
掲載紙面(PDF):
2020年1月25日号(2357号) 3面 (8,496,731byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
赤穂市議会が5年前に定めた「赤穂市議会基本条例」の第1条にある文言だ。本来は市民にとって大切な市議会議員の人数を現行の18人から16人に削減するよう、赤穂市自治会連合会が要望書を出している。
一般に「議会は行政のチェック機関」とも言われる。しかし、振り返ってみると、例えば、経営破綻で税金から27億3000万円を補填する羽目になった市の第3セクター事業のJR播州赤穂駅周辺整備事業を止めることができなかった。西有年産廃処分場計画は報道で明らかになるまで議会としての動きはなかった。市職員が2人逮捕された入札不正は見抜けなかった。市民病院の赤字額はふくらんでいる。
自治会連合会が議員定数削減の要望書を提出した背景には、「結局チェックできていない」「行政の追認機関に過ぎないのではないか」といった不信感があるのではないか。いわば事実上の「議会不信任」を突きつけたとも言える。
要望書が出されたのは昨年10月4日。「各議員の意見を聴取するため」の議員全員協議会が開かれるまで約3か月半を要した。「真摯に受け止める必要がある」というのなら、なぜ、もっと迅速に対応しなかったのか。また、要望書を受け取った時点で任期はまだ1年半あったのだから、「時間的に困難」という言い訳は市民の理解は得難いのではないか。
議員のみなさんにも言い分はあるだろうし、また説明責任もある。要望書によって市民の関心が高まっている今こそ、赤穂市議会が果たしている役割を市民にアピールして理解を求めてはどうか。その意味でも、各議員が考えを述べた今回の全協は公開で開いてほしかった。
要望書には、「議員の活動が見えにくい」との意見も書かれていた。議会は3月末までに文書で回答するとしている。回答へ向けてどういった活動をするのか注目したい。
<前の記事 |
関連サイト:
【関連記事】議員定数協議「現状維持」が大半
掲載紙面(PDF):
2020年1月25日号(2357号) 3面 (8,496,731byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社説 ]
【社説】目先の面子ではなく美術館の信用守れ 【社説】事業者との話合いは関係正常化が先 [ 社説 ] 2016年11月05日【社説】この協定では市民の不安は払拭されない [ 社説 ] 2015年12月05日【社説】治水とは真逆の愚行 行政は立ち位置戻せ [ 社説 ] 2015年11月21日【社説】初心忘れることなく「市民主役」の行政を [ 社説 ] 2015年01月24日【社説】今こそ中学生の底力を [ 社説 ] 2014年11月01日【社説】議会は産廃計画の検証を [ 社説 ] 2013年11月02日【社説】市民軽視の市教委に存在価値はあるのか [ 社説 ] 2012年09月01日【社説】赤穂緞通の将来展望 再構築を [ 社説 ] 2012年08月25日【社説】赤穂から“世界一”のカキを [ 社説 ] 2012年04月21日【社説】非常時に生命守る設備と心の構えを [ 社説 ] 2011年07月02日【社説】廃止検討自体が公約に逆行 [ 社説 ] 2011年02月19日【社説】市民に見える実行計画示せ [ 社説 ] 2011年01月22日【社説】倫理条例よりも情報公開進めよ [ 社説 ] 2010年12月18日【社説】方針は実践してこそ価値がある [ 社説 ] 2010年07月03日
コメント
0 0
投稿:改革派 2020年01月25日10人でいいい。
0 0
投稿:赤穂人 2020年01月25日他の自治体と議員の数を比較しているがそういう問題ではない。問題は質なのよ。質が良ければ現状維持でいいが、大した成果も出せないのなら18人も議員は必要なし。
あと、議員削減するかどうかは次の選挙の時に、同時に市民投票すれば直ぐに決まりますよね。
0 0
投稿:未来 2020年01月25日選挙だけでなく毎年毎に全議員についての仕事ぶりチェック投票でもすれば当選すれば4年間安泰という甘えた体質の改善にはなると思います。
0 0
投稿:一市民 2020年01月25日コメントを書く