学生らが難病の啓発漫画 インスタ発信
2020年10月31日
実習での学びを基に難病理解をテーマにした短編漫画を描いた中村剛クラスのみなさん
「まずは病気について知る人が増えることが大切。一人でも多くの人に見てほしい」と願っている。
7人はソーシャルワーク実習(中村剛クラス)の学生。実際に世の中にある問題や課題に取り組もうと、「難病の人の生きづらさ」を学習テーマに選んだ。国の「指定難病」になっていないために医療費の公的助成も受けられない脳脊髄液減少症、慢性疲労症候群について論文や映像などで基本的な内容を学び、赤穂市内在住の患者に面会。日常の暮らしや悩みなど生の声に耳を傾けた。
脳脊髄液減少症は、何らかの理由で脳脊髄液が減少し、頭痛やめまい、倦怠感といった症状が現れる。交通事故やスポーツ外傷のほか、ささいな転倒でも原因になると考えられている。また、慢性疲労症候群は、日常生活を送れないほどの重度の疲労感が長期間続くが、原因は分かっていない。これらの病気に対する認知度が低いために周囲の理解を得られにくく、医療機関を受診しても適切に診断されないケースも少なくないという。
学びの中で、「病気に対して理解してもらうことが、難病の治療よりも難しく感じる」という当事者の声を知った学生たち。「病気に対応するのは医者だが、『病気の理解を周囲に広める』のはソーシャルワーカーの役割」と考え、自分たちにできることを模索した中、病気の症状や患者の辛苦をイラストと文でわかりやすく表す短編漫画を作成してインターネットで発信する取り組みに行き着いた。
学習で得た知識と情報を元に話の構成を組み立て、コーナーを分担して作画。慢性疲労症候群の患者が体験談を漫画化した書籍を参考に、登場人物をクマやパンダといった動物に見立てて親しみやすいタッチにまとめた。「理解されにくい病気とソーシャルワーク」のタイトルで8月末に第1回(全8話)、9月上旬に第2回(同)をインスタグラムで公開した。
漫画の中で学生たちは「誰もが発症する可能性がある病」「『運がいい、悪い』で済ませていいのでしょうか?」などと問題提起。「病気のことをもっと知り、私達(患者)の声に耳を傾けてください」などと訴えた。
取り組みを指導した中村剛教授は「授業で学んだ『正義』『尊厳』『倫理』という専門的価値を踏まえた上で、難病の人たちが置かれている状況や問題点を漫画に表現してくれた」と学習成果を評価。学生たちは「最初は難病についてどのように受け止めたらいいのかわからなかったが、理解しようとするうちに寄り添うことはできると感じた」(桑田ゆりえさん)、「学校や家庭などで継続して啓発していくことが求められるのでは」(野村清太さん)などと気付きを話した。
今月には障がい理解をテーマにした新シリーズ(全7話)を追加した。同クラスのインスタグラムはKusw_class1で検索できる。
<前の記事 |
[ 社会 ]
さくら通り自治会、念願の自治会館 [ 社会 ] 2009年04月01日子育て支援を4月から拡充 [ 社会 ] 2009年03月31日関西福祉大の新学長に岸井勇雄・新潟女短大学長 [ 社会 ] 2009年03月30日新小1生に交通安全ランドセルカバー ロータリークラブの職業奉仕賞 [ 社会 ] 2009年03月30日赤穂市関係分の教職員異動 [ 社会 ] 2009年03月30日赤穂市人事 211人が異動 2009年4月 [ 社会 ] 2009年03月28日20年以上前から路肩を占用 [ 社会 ] 2009年03月28日赤穂市内各校園の入学式日程 坂越の伝統的景観に県から「まちづくり賞」 水生生物調査結果を冊子に 赤穂署の人事異動 [ 社会 ] 2009年03月24日タイの青年専門職が親善来穂 [ 社会 ] 2009年03月16日過払い金訴訟 2社目の和解 [ 社会 ] 2009年03月16日赤穂から里海再生を発信 [ 社会 ] 2009年03月14日
コメントを書く