播磨の前方後円墳一堂に「古墳からみた王の時代」
2022年01月28日
貴重な出土遺物が数多く展示されている特別展「播磨の前方後円墳〜古墳からみた王の時代〜」
前方後円墳は今から約1750年前に始まったとされる古墳時代(3世紀中頃〜7世紀末)に当時の有力者の墓として日本各地で築かれた。兵庫県内で確認されている約190基のうち半分以上が播磨地域(現在の神戸市西部より西)に存在し、近年も新たな遺跡が見つかっている。
今展では赤穂市内で初めて前方後円墳が確認された東有年の「放亀山古墳」、2019年に地形図から存在が判明した「甲崎古墳」(相生市)など28遺跡を紹介。各地の博物館が所蔵する貴重な出土遺物約250点を展示している。
兵庫県内最大の大きさを誇る「五色塚古墳」(神戸市垂水区)から出土した「ひれ付円筒埴輪」は高さ1メートル、幅60センチと大型で大変貴重。大量の銅鏡が副葬されていた「権現山51号墳」(たつの市)で見つかった特殊器台形埴輪は奈良や吉備に集中して見られるもので、播磨では唯一という。巨大前方後円墳としては播磨最古の「瓢塚古墳」(姫路市)で発掘された壺は輪切りの竹を押し付けた「竹管文」と呼ばれる文様があり、山陰地方の特徴を示す。
前方後円墳は古墳の中でも、より地位や権力の高い王が埋葬されたとされる。時代とともに大きさや構造、副葬品などが異なり、その変遷から当時の王の動きやヤマト政権とのつながりなどが見えてくるという。
播磨には未発見の前方後円墳が多く存在するといわれている。展示を担当した山中良平学芸員は「近年、西播磨地域を中心に前方後円墳の発見が相次いでおり、学術上も注目が集まる地域となっている。展示を通して当時の歴史に思いを巡らせてもらえれば」と話している。
3月14日(月)まで午前10時〜午後4時(入館は3時半まで)。火曜休館。Tel49・3488。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2022年1月29日号(2448号) 1面 (7,614,935byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
駅コンコースに“忠臣蔵絵巻” 筆一筋に人生境地の94歳 [ 文化・歴史 ] 2012年11月23日パッチワークキルト作品展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月23日“最古”の内蔵助肖像画 [ 文化・歴史 ] 2012年11月22日豊原国周の義士浮世絵展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月22日神戸の風景画など小品展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月20日7歳と5歳の兄弟 民謡初舞台 古墳中期の勾玉など発掘速報展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月17日元禄赤穂事件の英訳本発刊 [ 文化・歴史 ] 2012年11月17日作業学習に「赤穂緞通」導入 [ 文化・歴史 ] 2012年11月10日播磨と備前 国境石探訪ツアー 船檀尻が64年ぶりの海上公演 写真で辿る相生の変遷 [ 文化・歴史 ] 2012年11月03日「白いチョークの会」会員展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月02日坂越で3日、船檀尻の復活公演
コメントを書く