《市民病院医療事故多発》外部検証 実は3件のみ 他5件は「身内」判断
2022年06月03日
赤穂市民病院で2019年から20年にかけて起きた同一医師による医療事故8件について、病院が外部有識者に検証を依頼したのは3件のみだったことがわかった。
病院は昨年12月、あたかも8件すべてで外部検証した結果を踏まえて医療過誤ではないと判断したと受け取れる発表や説明をしていたが、実際はそのうち5件は「身内」の検証だけで済ませたとみられる。
外部有識者による検証をめぐっては、医療過誤訴訟の原告側が今年2月、「被告医師が十分な技量を有していないことを証する重要な資料となり得る」などとして、医療事故報告書などとともに外部検証報告書の任意提出を市側に要求。当初は3月中にも提出される見込みだったが、市側が2度にわたって先延ばし、裁判長の指揮を受けて5月20日にようやく提出された。
医療事故報告書は8件とも提出されたが、外部検証報告書は3件のみ。いずれも脊椎系の手術で起きた事故について日本脊髄外科学会の理事が検証した報告書で、他の5件は提出されなかった。裁判所の記録によれば、市側の代理人弁護士は「該当する文書で存在するものは、書証として提出したものが全て」と説明したとされる。
外部検証について病院は昨年12月17日、同一医師により相次いで8件発生した医療事故問題を日刊紙に報じられたことを受け、「本件(医療過誤を認めた医療事故)以外の事故については外部有識者の検証を受け検討し、医療過誤ではないと判断した」などと記載したニュースレポート(報道発表資料)を市ホームページで公表。外部検証の実施件数を確認した赤穂民報の取材にも「8件」(医療課)と回答した。多くの新聞やテレビが「他の7件は外部有識者の検証で医療過誤ではないと判断された」「この他にも医療事故が7件確認されていますが、外部有識者の検証で医療過誤ではないと判断されています」などと報じた。
ニュースレポートの記載内容について病院は、赤穂民報の再取材に「本件以外の事故について医療過誤ではないと判断したことを言っているのであって、8件すべてで外部検証を受けたとは書いていない」(同課)と話し、「外部検証を受けた件数が何件だったかは、裁判に関わることなので答えられない」とした。
関連サイト:
■赤穂市民病院が昨年12月17日に発表したニュースレポート。赤穂市ホームページで現在も公開されている。(外部サイトへリンク)
【関連記事】医療過誤で重度障害 同一医師で事故8件(2021年09月18日)
掲載紙面(PDF):
2022年6月4日号(2464号) 1面 (9,638,423byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
赤穂市民病院が発表した医療事故に関するニュースレポート
病院は昨年12月、あたかも8件すべてで外部検証した結果を踏まえて医療過誤ではないと判断したと受け取れる発表や説明をしていたが、実際はそのうち5件は「身内」の検証だけで済ませたとみられる。
外部有識者による検証をめぐっては、医療過誤訴訟の原告側が今年2月、「被告医師が十分な技量を有していないことを証する重要な資料となり得る」などとして、医療事故報告書などとともに外部検証報告書の任意提出を市側に要求。当初は3月中にも提出される見込みだったが、市側が2度にわたって先延ばし、裁判長の指揮を受けて5月20日にようやく提出された。
医療事故報告書は8件とも提出されたが、外部検証報告書は3件のみ。いずれも脊椎系の手術で起きた事故について日本脊髄外科学会の理事が検証した報告書で、他の5件は提出されなかった。裁判所の記録によれば、市側の代理人弁護士は「該当する文書で存在するものは、書証として提出したものが全て」と説明したとされる。
外部検証について病院は昨年12月17日、同一医師により相次いで8件発生した医療事故問題を日刊紙に報じられたことを受け、「本件(医療過誤を認めた医療事故)以外の事故については外部有識者の検証を受け検討し、医療過誤ではないと判断した」などと記載したニュースレポート(報道発表資料)を市ホームページで公表。外部検証の実施件数を確認した赤穂民報の取材にも「8件」(医療課)と回答した。多くの新聞やテレビが「他の7件は外部有識者の検証で医療過誤ではないと判断された」「この他にも医療事故が7件確認されていますが、外部有識者の検証で医療過誤ではないと判断されています」などと報じた。
ニュースレポートの記載内容について病院は、赤穂民報の再取材に「本件以外の事故について医療過誤ではないと判断したことを言っているのであって、8件すべてで外部検証を受けたとは書いていない」(同課)と話し、「外部検証を受けた件数が何件だったかは、裁判に関わることなので答えられない」とした。
<前の記事 |
関連サイト:
■赤穂市民病院が昨年12月17日に発表したニュースレポート。赤穂市ホームページで現在も公開されている。(外部サイトへリンク)
【関連記事】医療過誤で重度障害 同一医師で事故8件(2021年09月18日)
掲載紙面(PDF):
2022年6月4日号(2464号) 1面 (9,638,423byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
赤穂健福事務所管内 およそ2か月ぶりコロナ感染 [ 社会 ] 2020年10月17日歯と口の元気が健康長寿の源 [ 社会 ] 2020年10月15日市職員の不正防止マニュアル策定 [ 社会 ] 2020年10月12日12日から「明るい選挙ポスター」展 成人祝賀式は式典のみ実施 東京・泉岳寺 今年の義士祭中止 観光協会が公募で事務局長を決定 ごみ減量資源化 小学生のポスター・標語展 修学旅行 県内・短縮日程で実施へ 市最高齢男性が104歳で死去 [ 社会 ] 2020年09月29日新型コロナと闘う医療従事者たちの記録 [ 社会 ] 2020年09月25日詐欺被害防止へ防犯ペン立て あこう中小企業給付金 今月末で申請締め切り 《市議選2021》来年3月28日告示、4月4日投票 [ 社会 ] 2020年09月17日略式代執行で空き家解体 市内1例目 [ 社会 ] 2020年09月14日
コメント
今回の場合は「本件以外の事故については医療過誤ではないと判断した。一部の事故は外部有識者の検証を受けた」とすべきだった。
9 3
投稿:言葉は正確に 2022年06月03日10 2
投稿:おいおい 2022年06月03日コメントを書く