《西有年産廃》上郡町の住民投票「建設反対」が多数
2022年07月10日
上郡町と赤穂市にまたがる一帯に計画されている産業廃棄物最終処分場の建設について上郡町民の賛否を問う住民投票は10日に投開票され、建設反対が6515票で、賛成の1711票を大きく上回った。
町選管によると、投票率は68・54%。有効投票数に対する「建設反対」の得票率は79・2%で、当日有権者数1万2306人の過半数に達した。「建設賛成」の得票率は20・8%。無効票は209票だった。
同町の住民投票をめぐっては、昨年1月、有権者の53%に及ぶ有効署名6773筆を集めた住民団体「上郡産廃問題対策協議会」の直接請求を受けた住民投票条例案を町議会が反対多数で否決。半年後の町長選で住民投票実施を公約に掲げた梅田修作町長が初当選し、同時に行われた町議選でも「計画反対」の立場の候補者が多数を占めた。梅田町長が9月に提案した住民投票条例案が賛成多数で可決された。
開票結果を受け、同協議会の塚本義勝会長は「民意は明らかになった。町と議会にはより積極的に『建設反対』を反映して行動してほしい」と語った。
一方、事業者の東洋開発工業所(大阪府豊能町)は11日、赤穂民報の電話取材に「投票結果を真摯に受け止め、今後も引き続き安全性を説明していきたい。(有権者の53%が「反対」に投票したことについては)逆に言えば半数近い人は「反対」には投じなかったということ。今のところ事業を撤退する考えはなく、粛々と手続きを進めていきたい」と話した。
許可権を持つ齋藤元彦知事・兵庫県知事のコメントを11日に求めたが、「上郡町からの正式な報告を受けてからになる」(環境整備課)との回答だった。
▼梅田修作・上郡町長の談話=「多くの町民が投票してくれたことに感謝したい。町民一人一人が産廃の問題を『自分の事』として真剣に考え、判断した結果であり、多くの町民が建設に反対の意思を示した。今後、町民の意思として早急に県に伝えるとともに、投票結果を重く受け止め、町民の意思に沿った判断をしていただくよう、事業者に強く要請する」
▼牟礼正稔・赤穂市長の談話=「上郡町における住民投票の結果については、上郡町の有権者が判断されたことであり、コメントは差し控える。赤穂市としては、引き続き産業廃棄物最終処分場建設の阻止に向け、上郡町をはじめ近隣市町と連携を密にしたうえで、協調して対応にあたっていく」
* * *
兵庫県環境整備課の回答、牟礼正稔市長の談話を追記しました。(2022年7月11日9時30分)
事業者のコメントを追記しました。(2022年7月11日9時48分)
掲載紙面(PDF):
2022年7月16日号(2470号) 1面 (10,721,393byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
成立した住民投票で「建設反対」が多数となった結果を喜ぶ上郡産廃問題対策協議会のみなさん
町選管によると、投票率は68・54%。有効投票数に対する「建設反対」の得票率は79・2%で、当日有権者数1万2306人の過半数に達した。「建設賛成」の得票率は20・8%。無効票は209票だった。
同町の住民投票をめぐっては、昨年1月、有権者の53%に及ぶ有効署名6773筆を集めた住民団体「上郡産廃問題対策協議会」の直接請求を受けた住民投票条例案を町議会が反対多数で否決。半年後の町長選で住民投票実施を公約に掲げた梅田修作町長が初当選し、同時に行われた町議選でも「計画反対」の立場の候補者が多数を占めた。梅田町長が9月に提案した住民投票条例案が賛成多数で可決された。
開票結果を受け、同協議会の塚本義勝会長は「民意は明らかになった。町と議会にはより積極的に『建設反対』を反映して行動してほしい」と語った。
一方、事業者の東洋開発工業所(大阪府豊能町)は11日、赤穂民報の電話取材に「投票結果を真摯に受け止め、今後も引き続き安全性を説明していきたい。(有権者の53%が「反対」に投票したことについては)逆に言えば半数近い人は「反対」には投じなかったということ。今のところ事業を撤退する考えはなく、粛々と手続きを進めていきたい」と話した。
許可権を持つ齋藤元彦知事・兵庫県知事のコメントを11日に求めたが、「上郡町からの正式な報告を受けてからになる」(環境整備課)との回答だった。
▼梅田修作・上郡町長の談話=「多くの町民が投票してくれたことに感謝したい。町民一人一人が産廃の問題を『自分の事』として真剣に考え、判断した結果であり、多くの町民が建設に反対の意思を示した。今後、町民の意思として早急に県に伝えるとともに、投票結果を重く受け止め、町民の意思に沿った判断をしていただくよう、事業者に強く要請する」
▼牟礼正稔・赤穂市長の談話=「上郡町における住民投票の結果については、上郡町の有権者が判断されたことであり、コメントは差し控える。赤穂市としては、引き続き産業廃棄物最終処分場建設の阻止に向け、上郡町をはじめ近隣市町と連携を密にしたうえで、協調して対応にあたっていく」
* * *
兵庫県環境整備課の回答、牟礼正稔市長の談話を追記しました。(2022年7月11日9時30分)
事業者のコメントを追記しました。(2022年7月11日9時48分)
成立した住民投票で「建設反対」が多数となった結果を喜ぶ上郡産廃問題対策協議会のみなさん
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2022年7月16日号(2470号) 1面 (10,721,393byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
姉妹都市へ中学生派遣 障害者支援団体「みのり赤穂」 NPO目指し設立 [ 社会 ] 2008年08月01日尾崎・塩釜神社が90年ぶり社殿改築 [ 社会 ] 2008年07月27日発達障害への支援考えるセミナー 西部診療所 住民の約7割が「必要」 [ 社会 ] 2008年07月19日学校給食でも地産地消 大型店が地域に与える影響を考える 赤穂でも組合員104人全員が一斉休漁 [ 社会 ] 2008年07月16日夏の交通事故防止運動スタート [ 社会 ] 2008年07月15日岩手・一関市に災害援助金〜少林寺拳法協会 “振り込め詐欺”阻止 みなと銀行赤穂支店に感謝状 みなと銀行の窓口係が“振り込め詐欺”を阻止 消防操法の西播磨大会で第4分団が準優勝 [ 社会 ] 2008年07月07日市民病院の市内救急受け入れ、前年から半減 [ 社会 ] 2008年07月05日海水浴の安全とにぎわいを祈願 [ 社会 ] 2008年07月01日
コメント
さらに「処理熱源を利用して、温泉施設や宿泊施設ができて観光客が来る」と言っていましたが、業者の計画にはそのようなものが入っているのでしょうか。
また水源が汚染され、飲料水や漁業に影響が出た場合はそれを補償するだけの資産が業者にはあるのでしょうか?そのへんのところ詳しく取材して頂けないでしょうか。
3 0
投稿:坂越の住人 2022年07月16日コメントを書く