アートマイル国際協働学習で文科大臣賞
2023年03月25日
有年小学校(西村博子校長)の5年生が「2022年度アートマイル国際協働学習プロジェクト」で最高賞にあたる文部科学大臣賞を受賞。台湾の小学校とSDGs(持続可能な開発目標)についてオンラインで議論し、知識を深めた内容が評価された。
アートマイルは、世界が今直面している課題について海外の学校と対話的・協働的に学び合う国際協働学習プロジェクト。学習の成果として自分たちが世界に発信したいメッセージを込め、一枚の壁画(縦1・5メートル、横3・6メートル)をパートナー校と共同制作する。今年度は小学校から大学まで国内37校が参加。インドネシア、メキシコ、フランスなど事務局がマッチングした同世代の学校とペアになり、昨年5月から協働学習を行ってきた。
有年小のパートナー校は台湾南部の嘉義県にあるシャウンシー小。ともに島国で、学校周辺に田園が広がる自然豊かな環境に立地する共通点にちなみ、SDGsの中から「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」の2つを学習テーマに設定した。互いに調べ学習で課題を見つけ、インターネット会議室で意見交換。11月にオンラインで映像をつないで提案発表し、壁画作品に学習成果を反映させた。
「エコロジー社会を創ろう!」のタイトルで左半分を有年小、右半分をシャウンシー小の子どもたちが描いた作品は、多種多様な生き物をちりばめて両国の豊かな生態系の素晴らしさや大切さを表現。左右をつなぐ虹のアーチで国境を越えた友情をアピールした。主体性や理解度、発信力など7項目による審査で「双方の問題提起が新たな気づきをもたらしたり、論点を明確にした議論が行われるなど、充実した協働学習が展開された」などと高く評価された。
担任の小垣内大佑教諭(31)によると、5年生10人のほとんどが外国人と話すのが初めてだったが、翻訳アプリを活用して比較的スムーズにコミュニケーションが図れたという。
山谷彩人君(11)は「言いたいことが伝わりにくいときもあったけど、言い方を変えたらわかってもらえた」と対話を重ねる大切さを知り、大池陽さん(11)は「出来上がった絵を見ると、話し合ったことが絵の中に入っていてうれしかった」と通じ合えたことを喜んだ。
小垣内教諭の話では、提案した行動目標の一つに「廃棄物を減らすために給食を完食する」と掲げたことを受けてクラスの給食完食率が高まったという。「子どもたちは『自分たちに今できることをしよう』と実践しています。自分たちが学んでいることが将来につながる、という気付きが得られたことも大きな成果」と話す。
表彰状を授与するため来校したジャパンアートマイル理事長の塩飽隆子さんは「社会により大きな影響を与える大人になるために、しっかり勉強してください。そして、この地球をより良い地球に、この社会をより良い社会にするために、世界で活躍する人になってください」と祝辞。虹の構図のアイデアを出した高本紗彩さん(11)は「もっと世界の人とつながりたいと思ったので、外国語の勉強を頑張りたい」と新たな目標を見つけた。
掲載紙面(PDF):
2023年3月25日号(2501号) 1面 (4,760,377byte)
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「アートマイル国際協働学習プロジェクト」で文部科学大臣賞を受賞した有年小学校5年生と共同制作した壁画
アートマイルは、世界が今直面している課題について海外の学校と対話的・協働的に学び合う国際協働学習プロジェクト。学習の成果として自分たちが世界に発信したいメッセージを込め、一枚の壁画(縦1・5メートル、横3・6メートル)をパートナー校と共同制作する。今年度は小学校から大学まで国内37校が参加。インドネシア、メキシコ、フランスなど事務局がマッチングした同世代の学校とペアになり、昨年5月から協働学習を行ってきた。
有年小のパートナー校は台湾南部の嘉義県にあるシャウンシー小。ともに島国で、学校周辺に田園が広がる自然豊かな環境に立地する共通点にちなみ、SDGsの中から「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」の2つを学習テーマに設定した。互いに調べ学習で課題を見つけ、インターネット会議室で意見交換。11月にオンラインで映像をつないで提案発表し、壁画作品に学習成果を反映させた。
「エコロジー社会を創ろう!」のタイトルで左半分を有年小、右半分をシャウンシー小の子どもたちが描いた作品は、多種多様な生き物をちりばめて両国の豊かな生態系の素晴らしさや大切さを表現。左右をつなぐ虹のアーチで国境を越えた友情をアピールした。主体性や理解度、発信力など7項目による審査で「双方の問題提起が新たな気づきをもたらしたり、論点を明確にした議論が行われるなど、充実した協働学習が展開された」などと高く評価された。
担任の小垣内大佑教諭(31)によると、5年生10人のほとんどが外国人と話すのが初めてだったが、翻訳アプリを活用して比較的スムーズにコミュニケーションが図れたという。
山谷彩人君(11)は「言いたいことが伝わりにくいときもあったけど、言い方を変えたらわかってもらえた」と対話を重ねる大切さを知り、大池陽さん(11)は「出来上がった絵を見ると、話し合ったことが絵の中に入っていてうれしかった」と通じ合えたことを喜んだ。
小垣内教諭の話では、提案した行動目標の一つに「廃棄物を減らすために給食を完食する」と掲げたことを受けてクラスの給食完食率が高まったという。「子どもたちは『自分たちに今できることをしよう』と実践しています。自分たちが学んでいることが将来につながる、という気付きが得られたことも大きな成果」と話す。
表彰状を授与するため来校したジャパンアートマイル理事長の塩飽隆子さんは「社会により大きな影響を与える大人になるために、しっかり勉強してください。そして、この地球をより良い地球に、この社会をより良い社会にするために、世界で活躍する人になってください」と祝辞。虹の構図のアイデアを出した高本紗彩さん(11)は「もっと世界の人とつながりたいと思ったので、外国語の勉強を頑張りたい」と新たな目標を見つけた。
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