祖父と孫の作品競演 「長安義信VS雅山」展
2023年07月29日
ともに赤穂生まれで、幕末に絵師として活躍した長安義信と、その孫で日本画家の長安雅山。2人の作品を同時に紹介する企画展「長安義信vs.長安雅山〜祖父と孫との対決〜」が御崎の赤穂市立美術工芸館・田淵記念館で開催されている。
長安義信(1788−1868)は大坂の画家・佐野龍雲から絵の手ほどきを受けた。京都、奈良などで古画から学び得たという優美な作風と躍動的な筆使いが特長で、40歳で朝廷からすぐれた絵師に与えられる「法橋」の称号を授かった。その後、故郷へ戻り、花岳寺門前に居を構え、この頃から「周得」と号した。赤穂藩から客分として処遇され、81歳で没するまで赤穂、岡山などで多数の作品を残した。
長安雅山(1875ー1963、本名・孝之助)は日本画の巨匠、橋本雅邦に師事。何度も門前払いされながら粘り強く通い続け、弟子入りを認められたという。各種展覧会で入賞を重ねたが、審査や売名にとらわれた画壇の風潮に見切りをつけ、50歳を過ぎたあたりからは自身の画道を極めることに没頭。赤穂義士を題材にした作品も多く手掛けた。常に史料文献を基にし、できる限り史実に即して描く姿勢を貫いた。
今展では、昨年に同家子孫から寄託された作品を中心に2人の作品を19点ずつ対面で展示。義信側を「赤コーナー」、雅山側を「青コーナー」として来館者が気に入った方にシールで投票できる趣向となっている。そのうち「寒山拾得図」「寿老人図」など共通の画題を描いた作品が6組あり、2人の画風を見比べやすい。
また、義信の長男で雅山の父でもある金学(1829ー95)の作品2点も展示。藤田忠彦学芸員は「ダイナミックで力強い絵を描いた義信、丁寧で繊細な画風の雅山。どちらが好みか投票してもらえれば。長安親子3代の作品を同時に展示するおそらく初めての機会なので、ぜひ鑑賞してほしい」と話している。
8月7日(月)まで午前9時〜午後5時(入館は4時半まで)。火曜休館。入館料200円(小・中学生100円)。Tel42・0520。
掲載紙面(PDF):
2023年7月29日号(2516号) 1面 (15,118,983byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
企画展「長安義信vs.長安雅山〜祖父と孫との対決〜」で展示されている長安義信画『朱描き鍾馗図』(右)と長安雅山画『鍾馗図』(左)
長安義信(1788−1868)は大坂の画家・佐野龍雲から絵の手ほどきを受けた。京都、奈良などで古画から学び得たという優美な作風と躍動的な筆使いが特長で、40歳で朝廷からすぐれた絵師に与えられる「法橋」の称号を授かった。その後、故郷へ戻り、花岳寺門前に居を構え、この頃から「周得」と号した。赤穂藩から客分として処遇され、81歳で没するまで赤穂、岡山などで多数の作品を残した。
長安雅山(1875ー1963、本名・孝之助)は日本画の巨匠、橋本雅邦に師事。何度も門前払いされながら粘り強く通い続け、弟子入りを認められたという。各種展覧会で入賞を重ねたが、審査や売名にとらわれた画壇の風潮に見切りをつけ、50歳を過ぎたあたりからは自身の画道を極めることに没頭。赤穂義士を題材にした作品も多く手掛けた。常に史料文献を基にし、できる限り史実に即して描く姿勢を貫いた。
今展では、昨年に同家子孫から寄託された作品を中心に2人の作品を19点ずつ対面で展示。義信側を「赤コーナー」、雅山側を「青コーナー」として来館者が気に入った方にシールで投票できる趣向となっている。そのうち「寒山拾得図」「寿老人図」など共通の画題を描いた作品が6組あり、2人の画風を見比べやすい。
また、義信の長男で雅山の父でもある金学(1829ー95)の作品2点も展示。藤田忠彦学芸員は「ダイナミックで力強い絵を描いた義信、丁寧で繊細な画風の雅山。どちらが好みか投票してもらえれば。長安親子3代の作品を同時に展示するおそらく初めての機会なので、ぜひ鑑賞してほしい」と話している。
8月7日(月)まで午前9時〜午後5時(入館は4時半まで)。火曜休館。入館料200円(小・中学生100円)。Tel42・0520。
田淵記念館で開催中の企画展「長安義信vs.長安雅山〜祖父と孫との対決〜」
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2023年7月29日号(2516号) 1面 (15,118,983byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
「感じて伝えて」プロが吹奏楽指導 [ 文化・歴史 ] 2018年06月24日秦氏テーマに公開研究会 日本画家・室井澄さん「渾身の一作」寄贈 [ 文化・歴史 ] 2018年06月22日キャンバスの会 20日から作品展 [ 文化・歴史 ] 2018年06月18日梅雨晴れに早乙女ら「お田植祭」 [ 文化・歴史 ] 2018年06月17日赤穂演奏家協会 17日に第35回定演 総勢400人出演「ブラスの祭典」 [ 文化・歴史 ] 2018年06月10日旧高雄村関連の資料を冊子に [ 文化・歴史 ] 2018年06月09日夏休み子ども茶道教室の受講者募集 忠臣蔵扇子 新柄「九段目」を発売 [ 文化・歴史 ] 2018年06月02日吹奏楽と金管バンドの祭典 「坂越の船祭」櫂伝馬2艘を新調 [ 文化・歴史 ] 2018年05月29日日本遺産「北前船寄港地」赤穂市が追加認定 雲火焼と苔玉で癒しのインテリア [ 文化・歴史 ] 2018年05月19日西浜塩田の一級資料を市が受贈 [ 文化・歴史 ] 2018年05月19日
コメントを書く