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関福大リレーコラム〜美しい日本語を受け継ぐ!

 2024年12月21日 
 こんにちは。関西福祉大学の中村誠です。教育学部で国語科教育を担当しています。これから何度か紙面にてお会いいたします。よろしくお願いします。

 さて、私は個人的に「文部省唱歌を歌い継ぐ会」を主宰しています。会長は私。会員は一名です。

 私たち昭和世代は、小中学校の頃に多くの唱歌を学校で歌いました。「虫の声」「我は海の子」「朧月夜」「夏は来ぬ」等々。現在の音楽教科書にも幾つかの唱歌が載っていますが、教室で歌われることは以前より少ないようです。

 「言葉が古くて児童・生徒が理解できない」ことが主たる原因のようで、そのため歌詞が改変された歌もいくつかあります。皆さんよくご存じの「春の小川」も何度か歌詞改変されました。(「さらさら流る」→「さらさら行くよ」、「ささやく如く」→「ささやきながら」等)

 唱歌「冬景色」をご存じでしょうか。「さ霧消ゆる湊江の舟に白し朝の霜」で始まる歌で、今でも小学校の音楽の教科書に載っています。私の実家は浜名湖畔にあり、冬の朝の景色がまさしくこの歌詞の通りでしたので以前の職場で紹介したのですが、多くの同僚はこの歌を知りませんでした。

 「さ霧」「消ゆる」「白し」等は古語で、なじみの少ない言葉です。しかし、古語にはその表現やリズムに日本語独特の美しさがあります。私は幼い頃、確かな意味も知らずにいくつかの歌詞を覚えました。しかし、成長する過程で、意味も分からずに覚えていた歌詞の意味を知った時の嬉しさには新鮮なものがありました。(私はこれを「後追いの学び」と呼びます。)

 皆さんは、親子で一緒に歌える歌をお持ちですか。「息子もサザンの曲は歌えるね」「私も娘もAdoのファン」という方もおられるでしょう。私もそうです。しかし、美しい日本語を豊かに湛える唱歌もその仲間に加えて、親子で歌ってみてはいかがですか。(教育学部児童教育学科准教授・中村誠) 



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掲載紙面(PDF):
2024年12月21日号(2580号) 2面 (6,885,586byte)
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