スプリング8運営の財団が職員採用で不正
2008年03月08日
室長が“面接リハーサル”を行った打ち合わせブース
不正が明るみになったのは、安全管理室職員の平成20年度採用。同センターのホームページで今年1月31日まで志願者を募集し、7人が応募。書類選考の後、2月15日に筆記試験と一次面接、同20日に二次面接を行い、採用者を決定した。
事情をよく知る人によると、面接を翌日に控えた2月14日午後1時ごろ、室長が「あしたの面接の練習をしようか」と職員採用に応募していた部下の女性非職員に声をかけ、職場と同じ棟の1階ロビーにある打ち合わせブースで約1時間、“面接リハーサル”を行った。
翌日の一次面接は、室長を含む職員4人が書類選考で絞られた3人を面接。女性非職員を含む2人が二次面接に進んだが、一方の応募者が辞退したため、女性非職員の採用が決まった。
JASRI人事課によると、「筆記試験は一般常識を問う内容」。過去の仕事実績など専門知識を問う一次面接が採否の大きな比重を占めるとみられる。
内部調査に対し、室長は「日時は定かではないが、面接練習した」と認め、「面接をきちんと受けさせたいと思い、面接への心構えを話した」などと弁明したという。JASRIは「(面接練習が)試験結果にどの程度影響したか不明」としながらも、採用を取り消すこととした。
公益法人であるJASRIの就業規定には、職員採用に関して「競争試験または選考によって行う」と定められている。表向きは志願者を平等に取り扱う公募の形を取りながら、裏では“身内”を優遇していた実態。さらに関係者の話では、「業務に絶対必要ではないのに、あえて女性非職員が持っている資格や経験年数を応募資格に列記し、応募の門戸を狭めていた」との疑惑も浮上している。これらの応募資格も室長が決めていた。
事態を知ったJASRIのある職員は「国民の税金を使っている法人が応募者をだましており許しがたい」と批判。「二度と繰り返さないように関わりのある者全員を厳しく処分すべきだ」ときつい口調で責任問題を指摘した。
JASRIは平成9年の施設供用開始当初から運営を受託。職員数は約300人で、平成19年度は国から13億3550万円の法定交付金を受けている。
所管省の文部科学省は本紙の取材に対し、「事実関係を確認できていないので現時点ではコメントできない。至急調査し、その結果に応じて対応したい」と回答。JASRIに運営を委託している独立行政法人理化学研究所(本所・埼玉県和光市)は「JASRIが行う個々の職員の採用の方法についてコメントする立場にない」との談話を発表した。
<前の記事 |
関連サイト:
財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)
【関連記事】放射光はルールもねじ曲げるのか
掲載紙面(PDF):
2008年3月8日(1783・1784号) 5面 (11,006,015byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
医療現場に手話広めたい [ 社会 ] 2014年02月12日千種川で堤防補強工事が進行中 [ 社会 ] 2014年02月12日インフルエンザ臨時休業(2月10日決定分) [ 社会 ] 2014年02月10日強い寒気、市全域で積雪 [ 社会 ] 2014年02月08日僕らも考えた「安心の避難所」 千種川漁協がシジミ保護へ [ 社会 ] 2014年02月08日就職不安の若者サポート [ 社会 ] 2014年02月08日西播磨の30社が就職フェア 炊飯器を万引き、加古川の男逮捕 [ 事件・事故 ] 2014年02月07日インフルエンザ臨時休業(2月6日決定分) [ 社会 ] 2014年02月06日犯罪、事故とも前年より減少 車と自転車衝突、70代男性が死亡 [ 事件・事故 ] 2014年02月05日命日に義士の遺徳を偲ぶ [ 社会 ] 2014年02月04日伯鳳会がポーアイに先進クリニック [ 社会 ] 2014年02月04日インフルエンザ臨時休業(2月3日決定分) [ 社会 ] 2014年02月03日
コメントを書く