赤穂産海苔、今季も出荷
2010年12月18日
生産が進む赤穂の海苔
沖合約1キロの辺りに幅1・5メートル、長さ20メートルの漁網約1500本が浮かぶ。“潜り”と呼ぶ専用漁船が、持ち上げた網の下をくぐり抜けながらロープに根付いた海苔を機械で刈り取り。かごに入れて、別の船で港の加工場へ運ぶ。型枠で整形して乾燥機を通し、10枚重ねをさらに10組束に。「網揚げ」から約2時間後には、その日最初の商品が箱詰めされた。
今季は10月中旬から種海苔を養殖。幅1・5メートル、長さ20メートルの漁網を約1500本投入した。1〜2週間かけて株の根元が1センチほどの太さになった段階で一旦海から引き揚げて網ごと冷蔵保管。海水温が養殖に適した18度を下回るのを待ち、11月中頃に再び海中に網を入れた。父の跡を継いで30年以上になる御崎の漁師、木谷裕彦さん(56)は「今年は水温がなかなか下がらず、生産開始が10日ほど遅れたが、今のところ成長に影響はなく、まずまず」と胸をなで下ろす。
赤穂市漁協によると、赤穂で海苔の養殖が始まったのは昭和30年代。海面から30センチほど下に浮かべた網で株を育てる「浮き流し方式」で、40年代中頃には70軒近くが操業した。現在は仲間3人と共同経営する木谷さんを含めて4軒。生産量は台風やプランクトンの発生など自然条件に大きく左右される。平成15年度には板海苔980万枚を出荷したが、昨年度は230万枚。100万枚を割り込んだ年もあった。
価格も下落傾向にあり、厳しい経営状況が続くが、「親父から引き継いだ仕事。やめたくない」と木谷さん。「自然相手なのでしょうがない。あとは神頼み」と今季の豊漁を祈っている。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2010年12月18日(1924号) 4面 (12,564,616byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
《赤穂市議選2025》定数17に立候補準備18人 [ 社会 ] 2025年01月18日阪神淡路大震災30年を前に防災教室 [ 社会 ] 2025年01月16日ブリの切り身に寄生虫 学校給食で喫食中止 [ 社会 ] 2025年01月15日人生の節目祝う「二十歳のつどい」 [ 社会 ] 2025年01月12日JA兵庫西が詐欺被害から顧客守る 赤穂署管内で年間3度目 [ 社会 ] 2025年01月06日《市民病院医療事故多発》院長命令に背き侵襲的検査12件 3件は文書通達後 日本初の坑道ラドン浴施設 開設への道のり映画化 [ 社会 ] 2025年01月01日2年後の赤穂高100周年へ実行委発足 [ 社会 ] 2025年01月01日《市民病院医療事故多発》医療ミスの脳外科医 業務上過失傷害罪で在宅起訴〜神戸地検姫路支部 《市民病院医療事故多発》「膿出し切る必要」現役医師が提言 [ 社会 ] 2024年12月21日市教委サーバがウイルス感染 一部データに障害 役者魂貫いた元赤穂観光大使 故木下通博さんの冥福祈る [ 社会 ] 2024年12月14日職員不祥事受け給与5%カット 市長「道義的責任」 [ 社会 ] 2024年12月12日次回は13年後 珍しい「土星食」 [ 社会 ] 2024年12月09日南海トラフ地震想定し大規模災害訓練 [ 社会 ] 2024年12月01日
コメントを書く