市長インタビュー「積極的施策も展開」
2011年01月22日
3期目の公約、抱負などについて語る豆田正明市長
* * *
―前期4年間で特に成果が挙がった政策は?
「子育て支援については充実できた。新しい赤穂の発信という点では赤穂国際音楽祭の開催。定住推進は定住支援金によって成果を挙げられた。また、行革についても市民、議会、職員の協力によって財政健全化が進み、今期は新たな政策に取り組む財源が生まれた」
―反対に、思ったような成果が得られなかったのは?
「企業誘致。長瀬産業が用地取得、環境調査の段階まで進んだが、経済状況などの関係で立地には至らなかった。いずれ立地していただけるものと期待している」
―2期目の市政運営を自己採点すると100点満点で何点か?
「100点ではないと思っている」
―県とのパイプが弱い―との指摘がある。
「どこと比較してのことなのかわからないが、本庁に行けば知事、副知事、各所管の部長とも話をしているし、トップダウンで事態を処理したこともある。災害復興関連事業を除けば、赤穂市における県事業が少ないとは思っていない」
―市政に閉塞感を感じる―という声もある。
「それは日本国全体で言えることだと思う。ただ、過去4年間は行革を進めた故に、内向きの行政、緊縮市政だったことはいえる。次の4年間はある程度、積極的施策を展開していきたい」
―無投票で当選したことについて、どう受け止めているか?
「公約を直接市民に訴える機会を持てなかったことは残念だが、無投票も一つの民意。ただし、これまでとは違った責任の重さを痛感している」
―3期目で特に重視している政策は?
「まずは、『子育て支援のまちづくり』。中学3年生までの医療費無料化は23年度に実施する。現在5歳児対象で行っている幼稚園預かり保育は4歳児に拡充する。次に『スポーツによるまちづくり』は、スポーツ活動や大会を振興することで交流人口を増やし、観光振興にもつなげていきたい。『環境に配慮したまちづくり』は太陽光発電装置の公共施設への設置、民間住宅向けの助成制度をいずれも23年度に行う。これらを柱に、『住みたいまち』『住んでよかったまち』『住みたくなるまち』と言われる赤穂市を目指す」
―前回公約にはなかった「目標年次」を示した。
「行革によって財政健全化の見通しが立った。実現可能なものについては、はっきりと実施年次を書き、選挙の際の判断材料にしていただきたいと思った。目標年度のないものは、4年間にわたって継続して取り組む」
―今後4年間の行財政改革の目標数値は?
「国と地方合わせて約900兆円の借金は、いつかは地方に降りかかってくる。将来を見越し、どのような状態になっても対応できる持続可能な財政基盤を確立しておかなければならない。実質公債費比率は12%台以下を維持し、将来負担比率は4年間の前半で200%を切ることが目標(注)。外部評価制度を導入して推進する」
※注)21年度決算時では実質公債費比率は14・2%、将来負担比率は219・1%。
―子育て支援について、出生率、人口など具体的な数値目標は?
「数値目標を掲げるのは難しい。人口減少に少しでも歯止めをかけたい」
―定住自立圏構想にメリットを感じているか? 特に、「地域医療の充実」について効果をもたらすと考えているか?
「一年や二年で成果が出るようなものではない。定住自立圏構想は何年で終わりというものではなく、ローリングをかけながら継続して取り組むもの。医療面では、一つの医療圏を構築できるように、まずは互いを知ることから引き続き取り組んでいく」
―市民病院の医師、看護師確保のためにどう取り組むのか?
「医師、看護師から『選んでもらえる病院』にすることが必要。まずは二期構想の可能な部分から取り組む。経営状況は厳しいが、だからこそやらなければならない。現場の苦悩はできるだけバックアップしたい。優先して取り組むべきこと、それに必要な予算の算出を病院に指示している」
―企業誘致は、なぜ成果を挙げられていないのか?
「同じ俎上に上ることが多い県企業庁の用地とは価格面で大きな開きがある。他自治体との比較では、例えば緑化率を赤穂市の25%より低い20%に引き下げているところもあり、勝負以前に同じ土俵に上がれていない。企業立地条件の緩和、奨励金などの見直しを23年度中に行う。そうすれば、ある程度勝負できる。トップセールスも当然行う」
―高取峠のトンネル化に向けた取り組みは行わないのか?
「建設中の新坂越橋が完成すれば前進させやすくなるのではないか。赤穂市だけでなく相生市ともいっしょに中長期的に取り組む案件。まずは両市でPR看板の設置を検討している。『相生・赤穂広域幹線道路整備促進協議会』の再開(平成16年度から休止中)を含め、具体的なアクションを起こしていきたい」
―個別の主要施策について具体的な説明を。
「『幼保一体化』『小中一貫教育』は検討を行った上で、できればモデル実施したい。新たに建設する『保健福祉センター』は福祉と介護予防の窓口を一体化するための施設で、乳幼児健診などが手狭な保健センター、役割が大きくなってきている地域包括支援センターを充実できる。『区画整理事業』は組合施行の保留地の処分については市も協力するが、まずは組合に努力してもらわなければならない。『循環バス路線の拡充』は定住自立圏構想のコミュニティバスを23年度中に試験運行するのとセットで循環バス『くらのすけ』の新ルートを検討して24年度に拡充する。主要施策には記載していないが、赤穂国際音楽祭は今後も継続する。今年7月開催へ向けて準備しており、ベルリン・フィルのコンサートマスターに正式就任した樫本大進氏の演奏を楽しみにしてほしい」
―市民へのメッセージを。
「お約束したことは必ず実現します。赤穂を元気で魅力あるまちにしていきましょう」
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掲載紙面(PDF):
2011年1月22日(1929号) 3面 (8,189,612byte)
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コメント
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投稿:バカボン 2011年02月07日0 0
投稿:スポーツ先進国 2011年01月27日0 0
投稿:子育て中 2011年01月25日が、集まるにはある程度、市のレベルを上げないと。個人の努力も必要だが、行政がカリキュラムを組み、人を育てないと、都市部と格差ができる。
医師不足や犯罪の増加も関係してくると思う。結局、都会で就職希望しても、就職できないと思う。かなり都市部の教育レベルは、上がっている。
極少数しか、就職できないのは、生産性の面で、マイナス。対等な立場で、少しでも多くの人がなってほしいです。今の市では、夢や希望がない。
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投稿:学力向上 2011年01月25日0 0
投稿:小松DX 2011年01月23日「医師、看護師から『選んでもらえる病院』にすることが必要。」との考えは、支持出来る。
本来であれば、「市民から最も信頼される医療機関」と、言いたいが
市民が信頼することの出来る医師が少ないというのではなく、医師
や看護師が不足している現状をなんとか改善するには、医師や看
護師に選ばれる病院にするという考えは正しいと思う。
だが、優秀な医師や看護師が選ぶ病院とは優秀な医師がいらっ
しゃることか、医療の最新機器が導入されているかではないだろうか?
確かに、医師や看護師への待遇(給与等)もあるだろうが、
医師や看護婦が働いてみたい医療機関を目指して、眼に見える
動きをして貰いたい。
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投稿:ako47 2011年01月22日コメントを書く