亡父に捧げる民謡リサイタル
2011年06月04日
芸能30周年記念リサイタルを開く萬代新一郎さん
30代半ばで帰郷して司法書士事務所を開業。「50代、60代になったとき、趣味のない人生はさみしいもの」と民謡を得意とする父・新作さんに強く誘われ、当時赤穂駅前で教室を開いていた民謡グループ「凡聖社(ぼんしょうしゃ)」に入門した。
「最初は練習に行くのが、いやでいやで仕方がなかった」が、「何事も3年は辛抱」と我慢して続けるうちに声が出るように。コンクールで入賞したことも自信と励みになった。入門5年後には「地元にも輪を広げたい」と「赤穂民謡同好会・塩華(しおのはな)」を設立。さらに平成5年に立ち上げた「赤穂濱鋤き唄保存会」で「日本民謡フェスティバル」に出演するなど郷土芸能の普及にも努めてきた。尺八は昨年、都山流大師範に昇格した。
かねてからの夢だった30周年記念リサイタルは昨春から準備を重ねてきた。しかし、昨年12月、自宅が火災に見舞われ、父が不慮の死去。譜面、愛用の尺八、衣装などすべて焼失した。一時は開催をあきらめようかとも思ったが、多くの人に励まされ、「元気な姿を見せるのが恩返しになるのでは」と気持ちを奮い立たせた。
リサイタルでは「赤穂濱鋤き唄」、父もよく唄った「宮城長持唄」などを披露。尺八独奏のほか、4年ほど前から新たに挑戦しているクラシックギターも演奏する。また、「赤穂塩濱音頭保存会」など市内外の団体、個人が賛助出演。徳島からは交流のある「鳴門浮々連」が来穂し、本場の阿波踊りを演舞する。
「これまで芸能を続けられたのは父や師匠、支えてくれた多くの方々のおかげ」と萬代さん。「当日は一曲一曲に感謝の気持ちを込めたい」と話している。
大ホールで午後0時開場、0時半開演。入場無料。会場に募金箱を設置し、寄付金を被災地復興支援に役立てる。問合せはTEL42・5786。
<前の記事 |
有年考古館の入館者数2万人に [ 文化・歴史 ] 2014年03月24日案内板で「文化財の宝庫」アピール [ 文化・歴史 ] 2014年03月23日討ち入りは「武士の一分」 [ 文化・歴史 ] 2014年03月21日メイプル写友会が会員展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月18日旧赤穂神社の棟札に名棟梁 [ 文化・歴史 ] 2014年03月14日勾玉や銅鐸、親子で工作 山本博文教授が語る「忠臣蔵」の真実 江戸初期の侍屋敷跡を現地説明 [ 文化・歴史 ] 2014年03月08日女性だけの絵画作品展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月08日昭和ほのぼの、創作和紙人形展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月07日池田時代の侍屋敷跡が出土 [ 文化・歴史 ] 2014年03月06日赤穂出身の軍事評論家「平田晋策」展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月04日グループ四季彩の油彩画展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月03日インド人シェフから本場の味 [ 文化・歴史 ] 2014年03月01日手づくり絵本で知事賞
コメントを書く