「想定内」浸水でも非常用電源喪失か
2011年07月02日
赤穂市民病院の給油ポンプ。1階の床から高さ約20センチのコンクリート台に設置されている
非常用発電機は停電時でも必要最低限の電力を確保するために設置。市役所は7階空調機械室の重油ディーゼルエンジン、病院は7階建て病棟屋上の灯油ガスタービンで発電する。燃料タンクの残量により、市役所は約7〜20日分、病院は約3〜5日分の非常用電源をまかなえるという。
両施設とも発電機本体は洪水や津波の影響を受ける心配はないが、問題は発電機へ燃料を給油するためのポンプ。市役所は地下1階、病院は1階にあり、防水機能は備わっていない。
市が5月に改訂したハザードマップによると、「100年に一度」と見込む千種川流域の24時間総雨量265ミリの大雨で堤防が決壊した場合、市役所で2〜3メートル、病院で3〜4メートルの浸水想定。市安全安心担当の話では、「想定通りの浸水が起きれば、市役所も病院も給油ポンプが水没する」という。
給油ポンプが機能を失うと、予備タンクが空になった時点で非常用発電機は停止する。市庁舎は約7時間、市民病院は約3時間しか持たない。また、ポンプは普段、空調や給湯のボイラー設備への給油にも使われているため、停電復旧後も建物の温度管理などに不具合が続くことになる。「最悪の場合、ポリタンクでオイルを運ぶ」(同担当)という人海戦術はあるが、例えば市民病院は毎時300リットル以上の灯油を消費するため、かなりの労力を要する。
市内公共施設の非常用自家発電については、6月議会で小林篤二議員(共産党)が一般質問。市庁舎、病院のほか消防本部、上水道各施設の設置状況が当局から説明された。
消防本部は発電機だけでなく燃料タンクも3階屋上に設置。下水処理センターは、燃料タンクは地下埋設型だがポンプは海抜約4メートル以上にあり、床上浸水時も非常用発電機を稼働できるという。なお、上水道の集中管理システムがある北野中浄水場は自家発電設備の常設に「約2億5000万円かかる」(上下水道部)ため、「万一の場合は電力会社の高圧電源車に頼る」としている。
<前の記事 |
関連サイト:
【社説】非常時に生命守る設備と心の構えを
掲載紙面(PDF):
2011年7月2日(1950号) 1面 (8,137,058byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
市人口16年連続減も坂越地区のみ増加 [ 社会 ] 2018年06月28日学校塀 市内3校で建築基準法不適合 [ 社会 ] 2018年06月26日赤穂JCが創立55周年 [ 社会 ] 2018年06月24日本に第2の人生 図書リサイクル [ 社会 ] 2018年06月23日正しい知識で安全安心な食品選ぼう [ 社会 ] 2018年06月22日食品衛生協会が功労者、優良施設など表彰 [ 社会 ] 2018年06月19日千種川縦走77キロ「山の学校」7人完歩 [ 社会 ] 2018年06月16日「千年に一度」大雨で20平方キロ浸水〜県想定 [ 社会 ] 2018年06月16日目標3万筆「産廃処分場反対」署名スタート [ 社会 ] 2018年06月16日赤穂LC 新会長に中野実史氏 [ 社会 ] 2018年06月15日赤穂RC 新会長に川島武志氏 [ 社会 ] 2018年06月15日《福浦産廃》「中止すべき」専門家が警鐘 [ 社会 ] 2018年06月14日災害時に役立てて 市へドローン寄贈 [ 社会 ] 2018年06月13日企業と合同で消防訓練 [ 社会 ] 2018年06月11日市医師会 新会長に中村隆彦氏 [ 社会 ] 2018年06月03日
コメントを書く