「坂越の船祭」国重要無形民俗文化財へ
2012年01月21日
国重要無形民俗文化財に答申された「坂越の船祭」
「坂越の船祭」は秦河勝を祭神とする大避神社の例祭。地元では「船渡御祭」と呼ばれ、毎年10月の第2日曜日に催行されている。天幕や五色の吹き流しで装飾した獅子船、頭人船、歌船などが御輿船を中心に船団となり、御旅所がある生島まで坂越湾を巡行。瀬戸内海を代表する伝統的な船祭りとして知られている。
平成4年に同庁から「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に指定されたことを受け、赤穂市教委は調査団(植木行宣団長・元京都学園大教授)を組織。平成19年度から4カ年かけて資料収集、地元住民への聞き取りなどを行い、調査報告書を国へ提出した。昨年12月に文科相の諮問を受けた同庁の文化審議会が、「多彩な構成要素がみられるとともに、祭祀組織にも地域的特色が顕著。我が国の祭礼文化やその変遷を理解する上で重要」と答申をまとめた。
今回、新たに答申された国重要無形民俗文化財は計6件。指定数は全国で278件となり、有名なものとしては「青森のねぶた」「京都祇園祭の山鉾行事」がある。兵庫県下では「淡路人形浄瑠璃」「東光寺の鬼会」などに続き7件目となる。
市教委では記録映像の撮影に着手する方針。中田宗伯・文化財担当課長(45)は「地元住民のおかげで答申を受けることができた。今後の活動についても可能な限り、バックアップしたい」と話している。
大避神社の生浪島堯宮司(68)は「涙が出るくらいうれしい。今後も職責の重さを痛感し、神事を務めたい」と感激。神社氏子で組織する「坂越の船渡御祭保存会」の篠原明会長(75)は「待ちに待った朗報。後世に継がれるように一丸となって努力していきたい」と声を弾ませた。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2012年1月21日(1976号) 1面 (10,426,776byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
有年考古館の入館者数2万人に [ 文化・歴史 ] 2014年03月24日案内板で「文化財の宝庫」アピール [ 文化・歴史 ] 2014年03月23日討ち入りは「武士の一分」 [ 文化・歴史 ] 2014年03月21日メイプル写友会が会員展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月18日旧赤穂神社の棟札に名棟梁 [ 文化・歴史 ] 2014年03月14日勾玉や銅鐸、親子で工作 山本博文教授が語る「忠臣蔵」の真実 江戸初期の侍屋敷跡を現地説明 [ 文化・歴史 ] 2014年03月08日女性だけの絵画作品展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月08日昭和ほのぼの、創作和紙人形展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月07日池田時代の侍屋敷跡が出土 [ 文化・歴史 ] 2014年03月06日赤穂出身の軍事評論家「平田晋策」展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月04日グループ四季彩の油彩画展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月03日インド人シェフから本場の味 [ 文化・歴史 ] 2014年03月01日手づくり絵本で知事賞
コメントを書く