田淵記念館で林鶴雄と爽林会展
2012年05月05日
田淵記念館で開催中の特集展示「赤穂ゆかりの画家たちの美の系譜−林鶴雄と爽林会−」
龍野生まれの洋画家、林鶴雄(1907−90)は養子として幼少期を赤穂市福浦で過ごした。成人して一旦は教員となったが画家を志して29歳で上京。藤田嗣治、安井曾太郎に師事し、コンクールで入賞を重ねた。
昭和20年、戦火を避けて疎開した赤穂で美術を愛好する若者を指導。薫陶を受けた有志が師の名前から一字を取って爽林会を立ち上げた。数年後に林が赤穂を去った後も創作の火は絶えず、同会のメンバーが中心となって「赤穂市美術協会絵画部」が誕生。林は“赤穂ルネッサンスの父”と呼ばれる。
今展では、市が所蔵する林の作品群から、京都の名刹を描いた「西芳寺庭」(縦48センチ、横59センチ)、パリで創作に没頭したころの「ノートルダム逆光」(F6号)など油彩画11点をピックアップ。印象と写実の間を行き来した画風の変遷を見ることができる。夫とともに画業に励んだ妻貞子(1915−73)、爽林会の創設メンバーである米谷朝五郎さん(1921−)や神吉栄治さん(1922−87)ら計7人の約20点も展示する。
17歳で爽林会に入会した加里屋の田中繁雄さん(79)=日本美術家連盟会員=は「林先生が赤穂の画壇にもたらした影響は非常に大きい。その功績を知ってもらえる機会になれば」と話している。
7月23日(月)まで。6月20日から一部展示替え。6月10日(日)午後2時から学芸員による展示説明会を行う。
開館時間は午前9時〜午後5時(入館受付は4時半まで)。火曜休館。入館料は大人200円、小・中学生100円。TEL42・0520。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2012年6月9日(1994号) 4面 (9,352,594byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
国天然記念物指定90周年「生島樹林展」 [ 文化・歴史 ] 2014年12月27日坂越まち並み館が開館20周年 [ 文化・歴史 ] 2014年12月26日尾崎小児童が地域キャラ考案 明治・大正期の赤穂美術を特別展 [ 文化・歴史 ] 2014年12月20日堀部弥兵衛の詠句で創作のれん [ 文化・歴史 ] 2014年12月13日吉右衛門が主人公の歴史小説 [ 文化・歴史 ] 2014年12月13日素行思想の根幹、わかりやすく解説 [ 文化・歴史 ] 2014年12月12日小学生ガイドが観光客をおもてなし 高齢者大学赤穂西校の書道色紙展 [ 文化・歴史 ] 2014年12月11日義士祭奉賛学童書道展の入賞者決まる 市民合唱団が高らかに「第九」 [ 文化・歴史 ] 2014年12月08日熱演が感動呼んだ忠臣蔵音声劇 [ 文化・歴史 ] 2014年12月08日初代国貞が描いた忠臣蔵一堂に [ 文化・歴史 ] 2014年12月06日良寛和尚を題材、シリーズ版画展 [ 文化・歴史 ] 2014年12月06日仮名手本忠臣蔵、和紙行灯で人物表現 [ 文化・歴史 ] 2014年12月05日
コメントを書く