10年に一度の神楽舞へ稽古
2012年06月23日
10年に一度の神楽舞奉納へ向けて稽古している保存会のみなさん
同神社は天照大神を祭神とし、創建年は不詳。かつては北東に約850メートル離れた辺りに祀られていたが、明治25年の大水害で御神体が流れ着いた場所に社殿を移したとされる。中広自治会(鍋島充会長)が管理している。
社殿は10年ごとに改修する慣わし。神楽舞は、竣工まで他所に移していたご神体を元に戻す「御遷宮」で奉納する特別な舞で、「中広獅子舞保存会」(世話役・今井英人、舩曵俊光)が受け継いできた。
地元の歴史に詳しい鵜崎鐘一さん(89)と睦谷博さん(84)の話では、「御遷宮」は明治時代に始まったと伝えられる。戦中戦後は記録が残っていないが、昭和37年以降は該当年の5月ごろに欠かさず実施。各町が競うように出し物を繰り出し、にぎやかに行っていた時期もあったという。
節目の年に当たる今年は、さい銭箱を新調。社殿には手を付けなかったため、遷座を行わなかった。保存会が「伝統を継承するために獅子舞だけでもやらせてほしい」と強く要望し、自治会内で検討した結果、同神社の祭礼日に合わせて奉納することが認められた。
保存会は今月中旬から市文化会館などで稽古を開始。神楽舞と曲、振り付けが同じ「赤穂八幡宮尾崎獅子舞保存会」に指導を頼み、20〜30代の男性約20人がほぼ毎晩練習している。
本番当日は午前9時半に消防第2分団詰所前を出発。鼻高の先導で道中舞を披露しながら約200メートル先の社殿へ向かい、勇壮な神楽舞を奉納する。
初めて神楽舞を舞う会社員の苅田崇志さん(21)は「足運びが特に難しい。本番までに習得したい」と動作を反復。太鼓を担当する会社員の清原悠介さん(26)は「太鼓が乱れると影響が大きいのでプレッシャーを感じる。しっかり練習します」と血豆ができた手でバチを振るう。
鍋島会長(63)は「地区の若者が率先して伝統行事を引き継ごうとしてくれていて大変ありがたい。ぜひ、彼らの勇姿を見てやって」と見物を呼び掛けている。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2012年6月23日(1995号) 1面 (7,152,618byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
市吹奏楽団10回目定演へ練習佳境 「忠臣蔵の本質死守した」紀里谷監督インタビュー [ 文化・歴史 ] 2015年11月16日赤穂吟詠会の創立55周年大会 広重が描いた忠臣蔵版画展 [ 文化・歴史 ] 2015年11月14日大山描く室井澄さんへ地元が感謝状 [ 文化・歴史 ] 2015年11月13日来年の干支にちなんだ申の木目込み [ 文化・歴史 ] 2015年11月12日1年後ステージ目指し合唱団発足 [ 文化・歴史 ] 2015年11月12日赤穂八幡宮獅子舞が会場魅了 [ 文化・歴史 ] 2015年11月11日尺八と琴の演奏発表会 「トリノコ」に使う神米収穫 四季の叙情歌 調和体書作展 [ 文化・歴史 ] 2015年11月04日文武両道の鑑、故木山正規さんを偲ぶ 昭和40年以前の風景や町並み 写真公募 日展の書部門で2人入選 [ 文化・歴史 ] 2015年10月30日27年度赤穂市文化・スポーツ賞
コメント
0 0
投稿:赤穂民報 2012年06月23日0 0
投稿:中広 2012年06月23日コメントを書く