船檀尻が64年ぶりの海上公演
2012年11月03日
64年ぶりに海上公演が行われた「坂越船檀尻」
地元の大避神社の例祭「坂越の船祭り」が今年3月、国の重要無形民俗文化財に指定された祝賀行事として「坂越船檀尻保存会」(篠原明会長)が主催。例祭で使う船4隻を連結した上に屋根付きの舞台(間口約6・8メートル、奥行き約6・7メートル)を組み立てた。地区内外に協力を呼び掛け、「赤穂宝専寺恵比寿大黒舞」(県無形民俗文化財)、「坂越盆踊り」(市無形民俗文化財)など24の団体・個人が出演した。
同地区の船檀尻は古くは享保11年(1726)の古文書に記録が登場し、280年以上の歴史を誇る。この日も伝統に則り、笛や太鼓の「檀尻囃子」で開幕。出演者たちは出番前になると渡し舟で船檀尻の裏手にある楽屋へ入り、演じ終わるとまた舟で戻った。
有志7人で「花笠音頭」を踊った春野典子さん(75)は昭和23年の船檀尻で日本舞踊を披露した経験がある。当時は小学5年生。「船を移動させて何カ所も踊った記憶があります。2度も船檀尻で踊らせてもらって幸せなことです」と喜んだ。
浜市から見物に訪れた久保正一さん(75)は「海の上の舞台とは珍しい。船で栄えた坂越の土地柄を感じました」と話していた。
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掲載紙面(PDF):
2012年11月10日(2013号) 4面 (7,020,405byte)
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