和船建造の分野で赤穂市選定保存技術保持者の湊隆司さん＝坂越＝が５月２１日午後１時１３分、赤穂市内の病院で亡くなった。８６歳だった。
　湊さんは昭和３年、坂越生まれ。播磨造船徒弟学校を卒業後、明石や家島などの造船所で船匠を経験し、２８歳のとき故郷で「湊造船所」を設立。船棟梁として独立した。
　「坂越船祭り」で使われる祭礼和船（県指定有形民俗文化財）の修理、復元を無償で引き受けるなど伝統技法の保存と継承に尽くし、同５９年に市選定保存技術保持者に認定。「船造りは一生修業」と常々口にし、和船造り一筋の生涯だった。
　キワニス日本文化賞、県芸術文化協会「ふるさと文化賞」、市文化振興者賞など受賞多数。
　通夜は２２日午後５時半、告別式は２３日午前１０時、いずれも「赤穂メモリアルホール」。喪主は長男・千尋氏。

＜前の記事

次の記事＞

掲載紙面（PDF）：
2014年5月24日(2088号) 3面 (8,249,825byte)
　（PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。）