土砂災害レッドゾーン、市内49カ所指定へ
2014年09月27日
福浦コミセンで開かれた土砂災害特別警戒区域に関する住民説明会
県は該当する自治会を対象にした住民説明会を来月までに開催。法令に基づく市長への意見聴取を経て、早ければ今年度中にも一部区域の指定を公示する方針だ。
全国には35万箇所を超える土砂災害警戒区域(通称・イエローゾーン)があり、そのうち6割近くが土砂災害特別警戒区域(同・レッドゾーン)に指定されている。レッドゾーンは宅地分譲開発や高齢者施設などの開発が許可制になり、住宅の構造にも規制がかかる。
兵庫県下では2万168カ所のイエローゾーンのうちレッドゾーンは芦屋市内の1カ所のみ。県は昨年度から、一定の未利用地があり、災害時要援護者関連施設や分譲住宅地が新たに立地される可能性があるイエローゾーンを対象に斜面角度や高さを再確認する基礎調査を実施。土質も考慮し、今年度中の指定を目指すレッドゾーンとして県下約100カ所をこのほど設定した。
県は設定した区域の具体的な場所や数について、「公示までは公表しない」(砂防課)としているが、25日の市議会本会議一般質問で豆田正明市長が、市内に298カ所あるイエローゾーンのうち今年度に22カ所、来年度に27カ所を指定する予定があると答弁。西播磨県民局が自治会役員に配布した資料によれば、▽鷏和・福浦新田=5カ所▽宮原=1カ所▽南野中=1カ所▽下高谷=1カ所▽砂子・北野中・桜木町=2カ所▽上高野・田端=2カ所▽大津・木生谷=5カ所▽高雄・目坂・木津=5カ所−で今年度中の指定を検討しているとみられる。
赤穂市内での住民説明会は今月9日の宮原自治会を皮切りに始まった。産廃処分場計画地の北側を含む計5カ所で区域案が設定されている鷏和・福浦新田地区の説明会は19日に福浦コミュニティセンターで開かれ、西播磨県民局と基礎調査を請け負ったコンサルタント会社が資料や図面を基に調査方法などを説明。今回のレッドゾーン指定について、「新たな土砂災害危険箇所を増やさないために危険性を周知することが目的」とし、「工事は人家のある箇所を優先して整備する。特別警戒区域の指定と工事とは別」と強調した。
参加住民からは、「指定された土地について税制上の救済措置はあるのか」「地域の実状をよく知っている地元住民からも話を聴いて区域を設定してほしい」といった質問や意見が出た。説明会は県と市が共同で開催。10月下旬にかけて計8会場で開く。
▼産業廃棄物対策を担当する西播磨県民局・四方俊郎環境参事の話=「所管に内容を確認して、必要に応じて専門家会議にも情報提供したい」
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〔土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域〕
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)は▽傾斜度が30度以上で高さ5メートル以上の急傾斜地▽土石流の発生のおそれのある勾配2度以上の渓流▽地滑り区域−など、土砂災害の危害が生じるおそれがある区域。土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)はイエローゾーンのうち、土砂災害で建築物に損壊が生じ、著しい危害が生じるおそれがある区域。いずれも土砂災害防止法に基づき知事が指定できる。
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掲載紙面(PDF):
2014年9月27日(2105号) 1面 (12,386,882byte)
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