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88年前の日米親善人形が対面

 2015年02月10日 
赤穂幼稚園で対面したローズマリー人形(左)とメリー人形
 昭和2年に国際親善でアメリカから届いた人形1体が現存する加里屋中洲の赤穂幼稚園(田渕豊子園長、103人)を、同時期に寄贈された人形を所有する加古川市の作家、西村恭子さん(79)がこのほど訪問。園児たちの前で2体が対面した。
 人形はいずれも粘土とおがくずを混ぜた材質で身長32センチ。日米友好を願う一人のアメリカ人宣教師が「日本のひな祭りに人形を贈ろう」と全米に呼び掛けて約1万3000体を贈ったもの。当時は日露戦争後に勝利した日本と米国の間で政治的緊張が高まっていた時代で、人形は草の根の国際交流として大きな話題となった。しかし、太平洋戦争が始まると「敵国人形」として多くが処分され、現在は国内約360体、県内では10体が確認できるのみという。
 同園に残っているのは白い肌で青い目をしたローズマリー人形。ベージュのコートにピンクの帽子をかぶり、背中にアルファベットで名札がついている。園の沿革誌には昭和2年1月7日に「米国ヨリ親善使節トシテ人形ヲ贈ラル」との記録がある。普段は職員室のガラスケースに飾り、毎年ひな祭り行事に園児に紹介している。
 西村さんはラジオ関西の番組「青い目の人形『メリー』再会の旅」(木曜午前5時25分〜40分)のパーソナリティー。播磨町内の幼稚園から譲り受けたメリー人形を携えて他の人形の元を巡り、平和や友情のメッセージを伝えている。この日も制作スタッフが同行し、子どもたちが人形と触れあう様子を収録した。
 「人形に『大好き』って言ってあげてね。その魔法の言葉があればみんな仲良くなれて、戦争もなくなりますよ」と西村さん。年長組の山本朱音ちゃん(6)は「お人形たちが会えて仲良くできてよかった。メリーちゃんにまた幼稚園に来てほしい」と笑顔だった。
 同園での収録分は3月5日放送予定。
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