現代アート50年、氏平源吾さん個展
2015年08月01日
氏平さんは教員になって2年目の25歳のとき、「何か趣味を持ちたい」との思いから絵画を習い始めた。上司の紹介で師事したのが播磨地域の現代美術をリードした小野田實氏(1937−2008)。「ちょっと絵が描けるようになれば」というくらいの軽い気持ちだったが、小野田氏の勧めで始めた抽象画の「想像力によって無から有を生み出す面白さ」に引き込まれた。
個展は昭和60年以来30年ぶり。今年で後期高齢者となる節目に周囲の勧めもあって開くことにした。4室あるイーグレひめじの市民ギャラリーを貸し切り、大小合わせて90点近くを出品する。
エアブラシを駆使した「白と黒」は昭和48年の姫路市展で市長賞に輝いた作品。画面の端に並べて打った釘を支点にナイロン製の糸を幾重にも規則的に折り返した「糸の旋律」はリズム感のあるグラデーションが美しい。黒い画面に同心円状に打ち込んだ無数の釘が星空のように見える「小宇宙」、切断面の角度を少しずつ変えたサイコロ状の木片を約400個敷き詰めた「赤いキューブ」など、変哲のない素材を並べたり重ねたりすることによって集積と粗密を出現させるのが氏平さんのスタイルだ。
いずれの作品も根気強い作業の繰り返しによって生み出されているのが特徴。岡山県の山間部で少年時代を送った氏平さんは「山村の厳しい風土が育ててくれた愚直さが私の身上。それを作品から感じてもらえれば」と話している。
地下1階で午前10時〜午後6時。Tel079・287・0830。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2015年8月1日(2146号) 1面 (10,527,737byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
赤穂ゆかりの画家たちの美の系譜展 [ 文化・歴史 ] 2018年07月21日活断層の断面標本も 海洋科学館で地震展 [ 文化・歴史 ] 2018年07月21日モダン、ハイカラ「神戸」描いた版画展 [ 文化・歴史 ] 2018年07月20日市民文化祭 短歌と俳句を募集 坂越在住の米国人男性が初の絵画個展 [ 文化・歴史 ] 2018年07月19日第33回市美術展の作品募集 表情も姿も多彩 狛犬スナップ展 [ 文化・歴史 ] 2018年07月06日絵画を楽しむ会がギャラリー展 [ 文化・歴史 ] 2018年06月25日「感じて伝えて」プロが吹奏楽指導 [ 文化・歴史 ] 2018年06月24日秦氏テーマに公開研究会 日本画家・室井澄さん「渾身の一作」寄贈 [ 文化・歴史 ] 2018年06月22日キャンバスの会 20日から作品展 [ 文化・歴史 ] 2018年06月18日梅雨晴れに早乙女ら「お田植祭」 [ 文化・歴史 ] 2018年06月17日赤穂演奏家協会 17日に第35回定演 総勢400人出演「ブラスの祭典」 [ 文化・歴史 ] 2018年06月10日
コメントを書く