排水口下流で大腸菌群数上昇〜中ノ谷川
2015年08月01日
赤穂市の水質調査で高い数値の大腸菌群数が検出された高野の中ノ谷川について、市は追加調査の分析結果を市ホームページでこのほど公表した。
沿川で操業する食材関連事業所の排水口より下流域で数値の上昇傾向がみられ、市は「排水口を管理する食材関連事業所が関係している」と考察。一方、事業者側が行った水質分析では「そのような高い数値は検出されなかった」といい、真相の解明には至っていない。
市は「県と協議の上、事業者に改善を求めていく」(環境課)との方針。事業者は「当社の排水に問題があるのかどうか確認する必要がある」とし、さらに詳細な分析を検査機関に依頼したと話している。
市の追加調査は6月10日に上流から下流まで計7地点で河川水を採取して分析したもの。事業所の排水口よりも上流部では100ミリリットル中の大腸菌群数が最大2800MPNだったのに対し、直下は7000MPNを検出した。
一方、事業者は6月22日、自社排水の分析を外部機関へ委託。大腸菌群数は「1ミリリットル当たり30個未満」という結果だった。河川水と排水の水質分析は手法と単位が異なるため比較は難しいが、事業者が得た分析結果は定量下限を下回る値だ。
市は「水質現況の把握」を目的に今年4月から同川で月1回の水質調査を行っている。初回の4月に2万4000MPN、5月と6月には3万3000MPNを検出。追加調査の数値との開きについて、市は「なぜ、これほど差があるのかわからない」(同課)と話している。月1回の調査と追加調査はそれぞれ別の検査機関に委託したという。
市は「市生活環境の保全に関する条例」に基づき、事業所への立入検査を6月25日に実施。排水口から直にサンプルを採取して検査に回した。すでに分析は終了したとみられるが、「慎重に取り扱う必要がある。他の事業所に立入検査したときも結果を公表していない」(同課)として結果を明らかにしていない。
食材関連事業所は昭和43年創業。鳥や豚、牛の畜肉エキスやスープ、ドッグフードや肥料の製造を事業内容としている。同社の話では、食材加工や容器洗浄の工程で発生する排水を加圧浮上装置と曝気槽で油分、汚泥を除去した上で中ノ谷川へ放流しているという。
市が加里屋川や塩屋川など市内主要6河川について4段階で設けている「環境目標値」は最も甘いDランクでも大腸菌群数を「100ミリリットル当たり1万MPN以下」に設定しているが、中ノ谷川は対象河川に含まれていない。
掲載紙面(PDF):
2015年8月1日(2146号) 3面 (10,527,737byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
沿川で操業する食材関連事業所の排水口より下流域で数値の上昇傾向がみられ、市は「排水口を管理する食材関連事業所が関係している」と考察。一方、事業者側が行った水質分析では「そのような高い数値は検出されなかった」といい、真相の解明には至っていない。
市は「県と協議の上、事業者に改善を求めていく」(環境課)との方針。事業者は「当社の排水に問題があるのかどうか確認する必要がある」とし、さらに詳細な分析を検査機関に依頼したと話している。
市の追加調査は6月10日に上流から下流まで計7地点で河川水を採取して分析したもの。事業所の排水口よりも上流部では100ミリリットル中の大腸菌群数が最大2800MPNだったのに対し、直下は7000MPNを検出した。
一方、事業者は6月22日、自社排水の分析を外部機関へ委託。大腸菌群数は「1ミリリットル当たり30個未満」という結果だった。河川水と排水の水質分析は手法と単位が異なるため比較は難しいが、事業者が得た分析結果は定量下限を下回る値だ。
市は「水質現況の把握」を目的に今年4月から同川で月1回の水質調査を行っている。初回の4月に2万4000MPN、5月と6月には3万3000MPNを検出。追加調査の数値との開きについて、市は「なぜ、これほど差があるのかわからない」(同課)と話している。月1回の調査と追加調査はそれぞれ別の検査機関に委託したという。
市は「市生活環境の保全に関する条例」に基づき、事業所への立入検査を6月25日に実施。排水口から直にサンプルを採取して検査に回した。すでに分析は終了したとみられるが、「慎重に取り扱う必要がある。他の事業所に立入検査したときも結果を公表していない」(同課)として結果を明らかにしていない。
食材関連事業所は昭和43年創業。鳥や豚、牛の畜肉エキスやスープ、ドッグフードや肥料の製造を事業内容としている。同社の話では、食材加工や容器洗浄の工程で発生する排水を加圧浮上装置と曝気槽で油分、汚泥を除去した上で中ノ谷川へ放流しているという。
市が加里屋川や塩屋川など市内主要6河川について4段階で設けている「環境目標値」は最も甘いDランクでも大腸菌群数を「100ミリリットル当たり1万MPN以下」に設定しているが、中ノ谷川は対象河川に含まれていない。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2015年8月1日(2146号) 3面 (10,527,737byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
《市民病院医療事故多発》内部検証の正当性に疑義 関係者証言から見える経営検討委の裏側 ストレスチェック 不実施なのに「実施」 [ 社会 ] 2022年02月12日「心残りないお別れを」納棺師の中山泉さん [ 社会 ] 2022年02月12日赤穂管内居住の新規陽性51人(2月11日) [ 社会 ] 2022年02月11日赤穂管内居住の新規陽性49人(2月10日) [ 社会 ] 2022年02月10日故障のJアラート 4日ぶりに復旧 [ 社会 ] 2022年02月09日牟礼市長 濃厚接触で11日まで自宅待機 検査は陰性 [ 社会 ] 2022年02月09日「高齢者守ることに重点を」コロナ対策で提言 [ 社会 ] 2022年02月09日赤穂管内居住の新規陽性者48人 介護老健施設でクラスター(2月8日) [ 社会 ] 2022年02月08日Jアラート受信機が故障 5日夜から 赤穂管内居住の新規陽性者31人(2月7日) [ 社会 ] 2022年02月07日赤穂管内居住の新規陽性者26人(2月6日) [ 社会 ] 2022年02月06日赤穂管内居住の新規陽性52人(2月5日) [ 社会 ] 2022年02月05日「変更」から一転「存続」不可解な協議過程
コメント
徹底的な調査、分析をお願いします!
0 0
投稿:トンビ 2015年08月01日コメントを書く