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チコのセネガル通信(21)雨のありがたさに気付かされました

 2015年08月22日 
ロバを使って土を耕す様子
 雨季に入りました。砂で一面茶色だった地面が、一度の雨で緑になりました。降水を最大限吸収して草を芽生えさせる大地のものすごい生命力を感じました。
 セネガルには日本のように川はありませんし、灌漑施設もありません。井戸もほとんどありません。そのため、多くの住民は雨季しか農業ができません。言うなれば、雨に一年の生活が賭かっているのです。
 ところが、最初の大雨から1週間以上雨が降りませんでした。稲作に挑戦する私も落ち着かない日々を送りました。てるてる坊主を逆さに吊るしてみたり、住民にお祈りをしてもらったり。一度目の雨で植えておけば良かったな、せっかくカメルーンまで行って勉強したのに今年はお米できないかな、などすべてが後ろ向きになっていました。
 そんな時、忘れもしない7月25日。雨が降ってくれました。それも大量に! おかげで翌日から稲作をスタートできました。生まれて初めて、こんなにも雨が大切だったのかと気付かされました。
 私が栽培に選んだのは、アフリカ米とアジア米を交配させて生まれた「Nerica(New Rice of Africa)」という品種です。とても乾燥に強いといわれています。農地を貸してくれた住民のみなさんと一緒に土地を耕し、種をまきました。
 これから雨が定期的に降って、穂を実らせてくれることを願うばかりです。
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掲載紙面(PDF):
2015年8月22日(2149号) 3面 (11,120,927byte)
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