林鶴雄が描いた「懐かしい風景」
2015年08月28日
林鶴雄「路上に画く」1940年、姫路市立美術館
林は龍野に生まれ、養子として幼少期を赤穂市福浦で過ごした。成人して一旦は教員となったが画家を志して29歳で上京。藤田嗣治、安井曾太郎に師事し、コンクールで入賞を重ねた。昭和20年、戦火を避けて赤穂に疎開した。
同美術館の山田真規子学芸員によれば、小学校の教師だった林は校庭や教室、路上で遊ぶ学童の絵を多く残しているという。「路上に画く」(油彩・布、38・0センチ×45・5センチ、同館蔵)も、路面にろう石で絵を描く子どもたちをモチーフにしている。
昭和15年の作品で、林が東京に住んでいたときに描いたものと思われる。おかっぱや刈上げという子どもたちの髪型や前掛けが懐かしさとかわいらしさをほのぼのと感じさせる一方、男の子が描いている戦闘機の絵が軍靴の響きの高まりを鋭く映し出している。
山田学芸員は「子どもの描く対象が世相を表しており、子どもといえど時代の中に生きているということをよく示している作品といえるのではないでしょうか」としている。
展覧会「懐かしい風景」は、今日では失われつつある昭和の面影をテーマにした作品を集めた。10月4日(日)まで午前10時〜午後5時、月曜休館(ただし、9月21日は開館して24日に休館)。一般600円、大学・高校生400円、中学・小学生200円。Tel079・222・2288。
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◎読者プレゼント=展覧会「懐かしい風景」の招待券2枚組を5人の方にプレゼントします。はがきに住所、氏名、年齢、電話番号を明記し、〒678・0239、赤穂市加里屋58の18、赤穂民報「読者プレゼント係」へご応募ください。9月7日(月)消印有効です。賞品の発送をもって当選発表とします。
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掲載紙面(PDF):
2015年8月29日(2150号) 4面 (10,830,156byte)
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[ 文化・歴史 ]
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