- トップページ>
- 絵本で世界を旅しよう>
- 記事詳細
あなたならどうする?
2016年11月26日
『島(よくある物語)』 ○著/アルミン・グレーダー ○訳/畔上司 ○飛鳥新社
二十一世紀を迎え、多くの人々が二十世紀のような戦争はもうこりごりだと思っています。しかし、現実はどうでしょう。
直面する社会問題を正面から受け止めた絵本が生まれました。
島に一人の男が筏で漂着するところから始まります。
島民たちは、自分たちと似ても似つかない姿をした男を、ひとまず古いヤギ小屋に泊めることにしました。
その後、噂が噂を呼び、一人の漁師を除いて誰一人、男を仲間に入れませんでした。やがて、男は捕らえられ、小舟で海へと追いやられます。男がその後どうなったかはわかりません。
島民たちは外部からの人が入ってこないように島の周囲に高い壁を築き、外界との接触を断っていきます。
島の人たちは決して悪人ではありません。しかし、島へ入ってくる人に心を開こうとせず、多数の意見に同調してしまったのです。
どうしてこんな結果になってしまうのか。この絵本を前に、今の世の中について、私は考えさせられてしまいました。
* * *
『島(よくある物語)』○著/アルミン・グレーダー○訳/畔上司○飛鳥新社
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2016年11月26日(2208号) 3面 (11,031,633byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 絵本で世界を旅しよう ]
60年前の絵本 2011年01月01日
五十七冊目のクリスマスの絵本 2010年12月18日
世界を動かした塩 2010年11月13日
図書館とは… 2010年10月16日
モグラと月 2010年09月18日
神話の謎 2010年09月04日
サボテンの白い花 2010年08月28日
動物と子どもたち 2010年07月10日
日本の読者に向けられた絵本 2010年07月03日
黒人奴隷と民話 2010年06月19日
おひるね 2010年06月12日
おばあちゃんの言葉 2010年06月05日
絵本大国の絵本 2010年05月29日
心が癒された絵本 2010年05月22日
火星探査機「ソジャーナ」 2010年05月01日
コメントを書く