- トップページ>
- 絵本で世界を旅しよう>
- 記事詳細
スズメの恩がえし
2017年12月02日
『アイヌ ネノアン アイヌ』 ○文/萱野茂 ○絵/飯島俊一 ○福音館
その中で、いつも頭から離れなかったのが、厳しい自然の中で人を愛し、動植物を尊び、神を恐れる暮らしの中で作り上げられたアイヌの伝承文化です。
絵本『アイヌ ネノアン アイヌ』(福音館)のなかに、「スズメの恩返し」という物語があります。
十勝川のほとりのコタンの村に伝わる「スズメ」と村人のお話です。
スズメは、ツバメとちがってヒエ(稗)、アワ(粟)、米や麦などを食べ物にしているため、農業をしている人たちにとっては、厄介者で、ことあるごとに追い払われてきました。
アワやヒエの取り入れ作業のときのことです。
いつものように追い払われようとしたスズメに、村の長の娘が優しくアワやヒエを与えました。やがて、恩を受けたスズメは病気で亡くなった娘さんを生き返らせます。
この物語を読んでいて感じたことは、スズメが厄介な小鳥ではなく「神」がアイヌの人々に与えた小鳥だということです。
このような考え方は、クマを始めすべての動植物にも当てはまります。
人間の生活に少しでも邪魔になるものは取り除こうとする私たち。身近な動植物を暮らしに受け入れる心豊かな生活がしたいものです。
アイヌの伝承文化から多くのことを学んでいきたいものです。
* * *
『アイヌ ネノアン アイヌ』○文/萱野茂○絵/飯島俊一○福音館
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2017年12月2日(2256号) 4面 (11,405,691byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 絵本で世界を旅しよう ]
イギリスの竜の物語 2012年01月01日じいちゃんのクリスマスプレゼント 2011年12月17日7年ぶりに再会した絵本 2011年09月23日じいちゃんの大変身 2011年09月17日満月への思い 2011年09月10日蟻の話 2011年07月02日三千年の地球の歴史 2011年06月18日愉快な子育ての絵本 2011年06月11日なぜ草や木が生えたの? 2011年06月04日かみさま、たすけて 2011年05月14日ないしょのおともだち 2011年04月23日絵本の魅力 2011年03月05日干支とは…… 2011年02月19日森の大かえでといちごじいさん 2011年02月05日こどもたちのいちにち 2011年01月15日
コメントを書く