忠臣蔵のふるさと・播州赤穂の地域紙「赤穂民報」のニュースサイト
文字の大きさ

赤穂民報


  1. トップページ
  2. かしこい子育て
  3. 記事詳細

関福大リレーコラム・子育てを哲学する―(3)「子育て」と「倫理」

 2018年03月17日 
 子育ては、「どうすれば良い子育てができるのか」といった「育て方」に、つい目が行きがちです。ここでは子どもの成長という価値を基準に、良い悪いが判断されがちです。今回は、こうした一般的な「子育て」とは異なり、「倫理」という観点から子育てについて考えたいと思います。
 倫理とは、「人としてすべきこと/してはならないこと」、言い換えれば、人間の行いに関する善悪のことです。「殺してはならない」「盗んではならない」「人に優しくしましょう」、これらはみな「倫理」です。こうした倫理の基盤にあるのが「人間はとても大切な存在である」という人間理解や価値観です。人間はとても大切な存在、だから、殺してはいけないし、優しくするのです。
 「人間はとても大切な存在である」という人間理解は、「他ならぬかけがえのないわが子、とても大切なこの子」といった愛情のこもった子育ての中で培われます。すなわち、子育ては倫理の基盤を培います。しかし、それだけではありません。子育てには「倫理に気づかせてくれる」といった働きもあります。
 例えば、仕事のことでむしゃくしゃし、その気持ちを何の責任もない子どもに、八つ当たりして荒々しい言葉を投げかけたとします。その時、そこには怯えた子どもの顔があり、その眼差しに「してはいけないことをしてしまった!」と感じることがあります。これを哲学では(かなり玄人筋の話ですが)「顔の体験」といいます。この体験こそが、「人間はとても大切な存在である」という人間理解と並ぶ、もう1つの倫理の基盤です。
 このように子育ては、倫理の基盤が生まれるとても大切な営みです。子育てを「育て方」だけではなく、「倫理」という観点から捉え直して欲しい、そして、「大切な営みだから、社会全体で支援する」といった発想を持って欲しい、と思っています。(中村剛・社会福祉学部 学部長)
<前の記事


掲載紙面(PDF):
2018年3月17日(2270号) 4面 (9,382,713byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)


コメントを書く

お名前 (必須。ペンネーム可):

メールアドレス (任意入力 表示されません):

内容 (必須入力):

※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。
今週のイベント・催し
23
(月)
 
24
(火)
25
(水)
26
(木)
27
(金)
 
28
(土)
 
29
(日)

最新のコメント

  • 《市民病院医療事故多発》「膿出し切る必要」現役医師が提言←一般人(12/22)
  • 市教委サーバがウイルス感染 一部データに障害←リテラシーの観点から(12/21)
  • 市教委サーバがウイルス感染 一部データに障害←とむ(12/21)

各種お申込み

以下より各お申込み、資料請求フォームにリンクしています。ご活用下さい。

スマホサイトQRコード

スマホ用URLをメールでお知らせ!
e-mail(半角入力)


ドメイン指定受信をされている方は「@ako-minpo.jp」を指定してください。

閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警
閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警