後継者育成へ赤穂緞通の研修工房
2018年04月14日
赤穂緞通の技術継承を目指して活動をスタートした研修生と講師のみなさん
これまでは会員自身の技能向上と観光客などに緞通製作見学・体験を提供するためのスペースとして市から無償で貸与されてきた同会の「加里屋工房」の位置付けを後継者育成の場に特化。「技術と思いを連綿と受け継ごう」との意味を込めて名称を新たにした。
市教委の講習会を修了した1期生のうち4人が講師となる。これまでは会員個々が弟子をとり、指導方法も各自任せだったが、今後は共通の教本を用い、一貫性のある体系的な指導体制を整える。
すでに技術継承に意欲のある20〜40代の6人を研修生として受け入れた。工房にある織機を1台ずつ貸与し、「機こしらえ」から「仕上げ」まで赤穂緞通を織り上げるのに必要な工程の一部始終を指導。一通りの技術を習得できれば工房を「卒業」して独立し、新たな研修生を募集する。
研修生の一人、加里屋の平井恵理佳さん(26)は中学時代の「トライやる・ウィーク」で当時の加里屋工房で緞通製作を体験したことが今回の入門につながった。「赤穂緞通を織るのはとても大変で難しいけれど、ものづくりの楽しさがある。時間はかかるかも知れないけれど、独り立ちできるように練習を頑張る」と抱負を語る。
講師は皆ボランティアで、研修生は材料費など実費のみの負担で受講できる。井関京子会長(65)=元沖町=は「私たちも先輩方から無償で教えていただいた。次の世代へ引き継ぐことが恩返しになると思っています」と語り、「数年後には研修生の作品発表会を開けるように」と夢を描いている。
火曜と年末年始を除く午前10時〜正午、午後1時〜4時にオープン。見学自由。製作体験は有料(7日前までに要予約)。Tel45・0606。
研修生は次のみなさん。敬称略。
▽鍜治美恵(加里屋)▽小島由美子(元禄橋町)▽高木克枝(片浜町)▽冨田明(大津)▽冨田瑶子(同)▽平井恵理佳(加里屋)
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年4月14日(2274号) 1面 (14,953,880byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 文化・歴史 ]
「坂越の船祭」の5枚組DVD完成 [ 文化・歴史 ] 2014年08月28日能楽の見どころワークショップ 市民文化祭の短歌、俳句作品募集中 「誠忠義士伝」全点揃う、国内3カ所目 [ 文化・歴史 ] 2014年08月13日世界で一冊の絵本を手作り アットホームに合唱コンサート 観光大使寄贈の錦絵50点を公開 [ 文化・歴史 ] 2014年08月08日高齢者大学みさき校が絵手紙展 [ 文化・歴史 ] 2014年08月07日涼を呼ぶ癒しの音色、水琴窟展 [ 文化・歴史 ] 2014年08月02日雅楽部が平安時代の七夕再現 [ 文化・歴史 ] 2014年08月01日標本と写真380点、絶滅危惧種も [ 文化・歴史 ] 2014年08月01日県展に赤穂から2部門6人入選 [ 文化・歴史 ] 2014年07月31日音楽に合わせて書道パフォーマンス [ 文化・歴史 ] 2014年07月26日旧坂越浦会所の入館通算15万人に [ 文化・歴史 ] 2014年07月24日土器に見る渡来人の息吹 [ 文化・歴史 ] 2014年07月18日
コメントを書く