“日本の音色”作って46年、目坂進さんに「ともしびの賞」
2008年11月15日
「ともしびの賞」受賞が決まった三絃師の目坂進さん
目坂さんは昭和22年、加里屋寺町にあった和楽器店の二男として生まれた。中学を卒業してすぐに大阪、東京の和楽器製造会社で三絃師の修業。8年後に帰穂し、家業を継いだ。
当時の主な顧客は地元と城崎、湯郷など近畿、中国地方の芸妓衆。カラオケの登場で先細りが目に見えた状況だったが38歳のとき、人気演歌歌手・細川たかしの専属奏者から胴皮張りを任されたのを契機に評判が広まり、歌謡界のみならず歌舞伎、寄席、民謡など各界から注文が舞い込むように。今では全国屈指の職人として高い信頼を得ている。
棹製作から胴皮張りまで一人で製作できるのが強み。特に音色の良し悪しを決める胴皮張りの技術は、音質に厳しいこだわりを持つ一流奏者らをうならせる。
平成7年に父五郎さんとともに市選定保存技術保持者に指定。昨年2月に五郎さんが他界し、現在は後継者の長男守弘さん(35)を指導しつつ、全国から届く注文、修理を精力的にこなす。
多くの和楽器店が東京、大阪に店を構える中、生まれ育った赤穂を離れるつもりはない。「間違いのない仕事をしていれば都会も田舎も関係ない」。その言葉に妥協を許さず一筋に取り組んできた誇りが垣間見える。
「育ててくれた弾き手のみなさんと、よい材料を供給してくれる業者さんのおかげ」と感謝する目坂さん。還暦を過ぎ、「この年になって“日本人の心を打つ楽器”だと感じるようになった」といい、「三味線は日本の文化。受賞を励みに次の世代へ引き継いでいきたい」と意欲を新たにしている。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2008年11月15日(1821号) 1面 (3,034,421byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
「秦氏」テーマにシンポジウム 小中高生の弦楽器教室 受講生募集 坂越の佐方直陽さん 講演録刊行 [ 文化・歴史 ] 2017年09月01日赤穂コールドロン講演会に360人 [ 文化・歴史 ] 2017年08月27日頑固一徹 義士顕彰に生涯懸けた男 [ 文化・歴史 ] 2017年08月26日初の個展 ふるさとで 神戸の山田克洋さん [ 文化・歴史 ] 2017年08月26日県吹奏楽コンで初の金賞 [ 文化・歴史 ] 2017年08月25日龍野高放送部 赤穂出身3人が活躍 [ 文化・歴史 ] 2017年08月21日趣味の竹細工で二人展 [ 文化・歴史 ] 2017年08月21日リニューアル中の枝条架を見学 [ 文化・歴史 ] 2017年08月20日画塾「雨聲会」有志が日本画展 [ 文化・歴史 ] 2017年08月18日粟田哲也遺作展「古代文明からのいざない」 [ 文化・歴史 ] 2017年08月12日「赤穂コールドロン」研究者が解説 「京版画の大御所」が描いた古都の四季 [ 文化・歴史 ] 2017年07月31日宇宙探査の歩みテーマに特別展 [ 文化・歴史 ] 2017年07月29日
コメントを書く