《高野産廃》初回から協定不履行 展開検査撮影せず
2019年03月02日
今年1月に操業を開始した高野の安定型産業廃棄物最終処分場が初回受け入れの際、赤穂市との環境保全協定で取り決めている展開検査状況の記録写真撮影をしていなかったことがわかった。
展開検査とは、廃棄物を埋め立て処分する前に搬入車両から降ろしてひろげ、許可品目以外のものが混入・付着していないか目視で確認するもので、省令で安定型最終処分場に義務付けられている。
協定では、「展開検査状況を搬入の都度、写真撮影し記録を行うこと」としている。事業者が展開検査の義務を果たしていることを確認できるようにするためで、違反しても罰則はない。また、事業者が県へ提出した維持管理計画書では「搬入車両の車両番号を含めて展開検査の状況を写真撮影して、記録して保管する」ことになっている。
市環境課によると、同処分場では今年1月7日に最初の埋め立て処分(混合物21立方メートル分)が行われたが、その際の展開検査状況の記録写真は撮影されていなかったという。
事業者は赤穂民報の取材に、「処分場へダンプから降ろすときの写真は撮ったが、展開検査の写真は撮っていなかった。うっかりしていた」と撮影の不履行を認めた。2月6日の立ち入り検査の際には市の担当者から「今後はちゃんと撮影してほしい」と申し入れを受けたという。
また、2度目の埋め立て処分(廃プラスチック6立方メートル分)があった2月1日分についても、同課の話では、「2月27日に事業者から写真が提出されたが、廃棄物が車両の荷台に載っている状態の写真と、埋め立て処分しているところとみられる写真しかなかった」という。一方、事業者は取材に「2月1日分は展開検査時の写真を撮影して提出した」と話しており、市の説明と食い違う。本紙は双方に写真の閲覧を求めたが、事業者は「市に提出したので手元にない」と言い、同課は「情報公開請求が必要」とした。
同処分場をめぐっては昨年10月、前事業者から現事業者へ施設が譲渡。さらに代表者が辞任し、取締役だった男性が代表に就いた。そんな中、県と市が初回搬入時に実施するとしていた立ち入り検査は行われず、県が操業開始を確認したのは1月30日で、その翌日に県から市へ情報提供があったという。
同課によると、代表者の交代を把握した昨年10月31日以降、「今年1月下旬か2月のかかり」まで一度も事業者と連絡をとっていなかったという。事業者側は取材に、「(初回搬入時の立ち入り検査の申し入れについて)聞いていなかった」と話した。
同課は2月25日の民生生活委員会協議会で、初回搬入時の立ち入り検査が実施されなかった理由について、「県から連絡があると思っていた」「事業者が(県への連絡を)失念していた」などと釈明。「2月6日の立ち入り検査で記録写真は確認したのか」との委員の質問に対しては、「写真は確認していない」と答えたのみで、撮影不履行については言及しなかった。
▽赤穂市環境課=「(初回搬入時に立ち入り検査できなかったことについて)もっと積極的に情報を取りに行くべきだった。(記録写真撮影の不履行について)協議会で報告しなかったのは、事業者からの正式な報告を受けるまでは言うべきではないと判断したから。今後は協定を遵守するように事業者に申し伝えた」
▽事業者=「記録写真を撮影していなかったことは申し訳なかった。今後はしっかり協定を守っていくので、これからの運用を見てほしい」
掲載紙面(PDF):
2019年3月2日号(2316号) 1面 (10,873,632byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
展開検査とは、廃棄物を埋め立て処分する前に搬入車両から降ろしてひろげ、許可品目以外のものが混入・付着していないか目視で確認するもので、省令で安定型最終処分場に義務付けられている。
協定では、「展開検査状況を搬入の都度、写真撮影し記録を行うこと」としている。事業者が展開検査の義務を果たしていることを確認できるようにするためで、違反しても罰則はない。また、事業者が県へ提出した維持管理計画書では「搬入車両の車両番号を含めて展開検査の状況を写真撮影して、記録して保管する」ことになっている。
市環境課によると、同処分場では今年1月7日に最初の埋め立て処分(混合物21立方メートル分)が行われたが、その際の展開検査状況の記録写真は撮影されていなかったという。
事業者は赤穂民報の取材に、「処分場へダンプから降ろすときの写真は撮ったが、展開検査の写真は撮っていなかった。うっかりしていた」と撮影の不履行を認めた。2月6日の立ち入り検査の際には市の担当者から「今後はちゃんと撮影してほしい」と申し入れを受けたという。
また、2度目の埋め立て処分(廃プラスチック6立方メートル分)があった2月1日分についても、同課の話では、「2月27日に事業者から写真が提出されたが、廃棄物が車両の荷台に載っている状態の写真と、埋め立て処分しているところとみられる写真しかなかった」という。一方、事業者は取材に「2月1日分は展開検査時の写真を撮影して提出した」と話しており、市の説明と食い違う。本紙は双方に写真の閲覧を求めたが、事業者は「市に提出したので手元にない」と言い、同課は「情報公開請求が必要」とした。
同処分場をめぐっては昨年10月、前事業者から現事業者へ施設が譲渡。さらに代表者が辞任し、取締役だった男性が代表に就いた。そんな中、県と市が初回搬入時に実施するとしていた立ち入り検査は行われず、県が操業開始を確認したのは1月30日で、その翌日に県から市へ情報提供があったという。
同課によると、代表者の交代を把握した昨年10月31日以降、「今年1月下旬か2月のかかり」まで一度も事業者と連絡をとっていなかったという。事業者側は取材に、「(初回搬入時の立ち入り検査の申し入れについて)聞いていなかった」と話した。
同課は2月25日の民生生活委員会協議会で、初回搬入時の立ち入り検査が実施されなかった理由について、「県から連絡があると思っていた」「事業者が(県への連絡を)失念していた」などと釈明。「2月6日の立ち入り検査で記録写真は確認したのか」との委員の質問に対しては、「写真は確認していない」と答えたのみで、撮影不履行については言及しなかった。
▽赤穂市環境課=「(初回搬入時に立ち入り検査できなかったことについて)もっと積極的に情報を取りに行くべきだった。(記録写真撮影の不履行について)協議会で報告しなかったのは、事業者からの正式な報告を受けるまでは言うべきではないと判断したから。今後は協定を遵守するように事業者に申し伝えた」
▽事業者=「記録写真を撮影していなかったことは申し訳なかった。今後はしっかり協定を守っていくので、これからの運用を見てほしい」
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2019年3月2日号(2316号) 1面 (10,873,632byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
ワクチンCC不正疑惑 「作業実態ない事務局」賃料請求か [ 社会 ] 2024年04月20日不正請求などで就労継続支援事業所の運営法人を行政処分 特殊詐欺被害防いだ「ファミリーマート赤穂東浜店」に署長感謝状 [ 社会 ] 2024年04月18日復元納棺師の笹原留似子さん講演「命大事に輝かせて」 [ 社会 ] 2024年04月17日2自治会に防犯カメラ寄贈 赤穂ロータリークラブ [ 社会 ] 2024年04月16日病院事業管理者 給料5%カットへ 市管理の公園 ごみ箱を原則撤去 [ 社会 ] 2024年04月13日災害リスク時の行動スイッチに「マイ避難カード」 [ 社会 ] 2024年04月06日赤穂市立さくら園 農福連携コンテストでグランプリ 市立図書館の愛称「日本海水赤穂ライブラリー」 [ 社会 ] 2024年04月03日赤穂観光協会が「航路標識協力団体」に 兵庫県下初 2023年度末教職員異動〜一般教職員 [ 社会 ] 2024年04月01日5日にイオンで「春の交通安全運動」出発式 2023年度末教職員異動〜管理職 [ 社会 ] 2024年03月30日2024年春 赤穂市の人事異動 [ 社会 ] 2024年03月27日
コメント
0 0
投稿:危険の極み 2019年03月04日事前に処分するものの成分分析を行って迅速に処分するのが筋でしょ?
てか、民間ゴミ処理業界がええ加減やからこんな事せなあかんという事なんやろね。
てか、搬入前の検査を厳格化しろ!!
0 0
投稿:赤穂市の・・・ 2019年03月03日これからの処分場の運用をみてくださいね
0 0
投稿:ミスターX 2019年03月02日コメントを書く