稀少な忠臣蔵浮世絵など150点寄贈
2019年04月27日
関達也氏から寄贈された忠臣蔵浮世絵の一つ「歌川国芳 団扇絵『庭の月(七段目大星力弥)』
寄贈された作品は三代目歌川豊国、歌川国芳といった幕末の江戸を代表する浮世絵師によるものや江戸後期に上方で出版された摺物などで、ほぼすべてが同館がこれまで所蔵していなかったもの。国芳が仮名手本忠臣蔵七段目を題材に描いた団扇絵は海外の浮世絵データベースを含めても他に所蔵が確認できず、「大変稀少で貴重」(同館)だという。
御崎生まれの関氏は御崎小から淳心学院中・高を経て京都大学理学部で地質学を専攻。岡山理科大学名誉教授で2010年から赤穂観光大使を引き受けた。「観光大使として、ふるさとへの恩返しになれば」と14年以降、浮世絵を取り扱う古書店からめずらしい作品を買い付けては同館へ寄贈してきた。
「もともと忠臣蔵は映画やドラマを見る程度で、浮世絵にはまったく興味はなかった」と関氏。数年前に同館の図録などを見て忠臣蔵浮世絵に関心を持ったのをきっかけに研究を始め、今では「赤穂市所蔵の作品がすべて頭に入っているのではないかと思うくらいの知識量で、しかも正確」(同館・木曽こころ係長)という。
木曽係長は「おかげで当館の忠臣蔵浮世絵コレクションがさらに充実した。保存状態も良好なので、この機会に精微な彫りや摺りを鑑賞してほしい」。関氏は「ふるさとのみなさんにご覧いただければうれしい」と話している。
7月30日(火)まで2階展示室で午前9時〜午後5時。水曜休館(5月1日は開館、7日は休館)。入館料200円(小・中学生100円)。Tel43・4600。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2019年4月27日号(2323号) 1面 (16,796,640byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
丹精込めた力作、能面二人展 [ 文化・歴史 ] 2014年09月08日市民病院ロビーで押し花作品展 [ 文化・歴史 ] 2014年09月07日筋書き知れば能楽の魅力ますます 京丹後の旧家に「坂越の船祭」絵巻 [ 文化・歴史 ] 2014年09月06日地域資料を電子化公開、絶版図書も 絵マップコン10周年で記念誌 透明感ある多彩な繊維造形、寺村サチコ展 [ 文化・歴史 ] 2014年08月29日「坂越の船祭」魅力を再発見 [ 文化・歴史 ] 2014年08月29日「坂越の船祭」の5枚組DVD完成 [ 文化・歴史 ] 2014年08月28日能楽の見どころワークショップ 市民文化祭の短歌、俳句作品募集中 「誠忠義士伝」全点揃う、国内3カ所目 [ 文化・歴史 ] 2014年08月13日世界で一冊の絵本を手作り アットホームに合唱コンサート 観光大使寄贈の錦絵50点を公開 [ 文化・歴史 ] 2014年08月08日
コメントを書く