盤珪と藤樹「たどりついた頂上同じ」
2019年11月23日
講演で興福寺を訪れた中江彰氏(右)と三好信雄住職
中江藤樹(1608−48)は日本陽明学の祖といわれる儒学者。盤珪と直接の接点はなかったが、承応3年(1654)に門人の中川謙叔らが備前・三友寺で2か月にわたって盤珪と論争した逸話がある。
中江氏は盤珪の思想と儒教の関わりを推論した著書『盤珪禅と儒教』があり、同寺が講師に招いた。講演で中江氏は藤樹について、「儒学一辺倒ではなく、禅や仏教、神道も含めて幅広い考え方を取り入れていたと思われる」と評価。封建社会にありながら「人間は皆兄弟である」と説いた訓話を紹介し、「当時にそのような考え方を示すのは大変なこと。もっと目を向ける必要があるのではないか」と語った。
陽明学と仏教の思想を一体とした「明徳仏性」説を説いた藤樹に対し、盤珪は「明徳とは何か」を追求するうちに「不生禅」と呼ばれる独自の仏法を悟ったとされる。中江氏は「二人が登った道は異なるが、たどりついた頂上は同じだったのではないか」と話した。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2019年11月23日号(2348号) 3面 (10,883,156byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 文化・歴史 ]
昭和11年の学校教育マニュアル [ 文化・歴史 ] 2012年05月19日趣味の絵で万葉の情景描く [ 文化・歴史 ] 2012年05月19日素行研究会の参加者募集 18日から赤穂美術協会展 [ 文化・歴史 ] 2012年05月14日書と絵画と写真、シルバー二人展 [ 文化・歴史 ] 2012年05月14日有年考古館で新収蔵展 [ 文化・歴史 ] 2012年05月09日遺跡巡って古代へ思いはせる 田淵記念館で林鶴雄と爽林会展 [ 文化・歴史 ] 2012年05月05日西播磨初の指定を祝賀 [ 文化・歴史 ] 2012年04月28日歴史博物館が展示替え、初公開の浮世絵 [ 文化・歴史 ] 2012年04月28日多彩な美術工芸「グループ倫」展 [ 文化・歴史 ] 2012年04月26日生島樹林、市民の手で再生 [ 文化・歴史 ] 2012年04月25日赤穂の風景スナップ写真展 [ 文化・歴史 ] 2012年04月25日29日に誓教寺で「御絵解法要」 新作能「大石」1日から券発売
コメントを書く