新田に赤穂緞通のギャラリー工房
2020年06月19日
念願のギャラリー工房を開設した根来節子さん
古浜町の赤穂緞通作家、根来節子さん(69)が築約50年の木造納屋を改修。1階の作業場に大小計6台の織機を置き、6畳間が2部屋続く2階を展示スペースとした。
根来さんは赤穂市教委が1991年から開いた赤穂緞通織方講習会の1期生。これまでは自宅敷地の一角に設けた2坪ほどの「弥生工房」で機を織ってきた。「ゆったりと作品を広げられるスペースがあって、制作体験もできるような場」を持つことが夢だったが、なかなか踏ん切りがつかないでいた。
そんな中、講習会の同期で作家仲間だった山家八重子さん(享年86)が一昨年に病で亡くなり、山家さんが愛用した一畳物の織機を形見分けで譲り受けた。「これを活かすことが恩返しになる」と新工房を開いて活用することを決心し、夫も「ええがな」と後押ししてくれた。
新工房は国道250号の「居村」交差点から西へ約150メートルほど入った住宅街にある。根来さんが中学生まで住んでいた旧自宅の離れだった建物で、思い入れと愛着のある場所だ。梁や柱など主な構造をそのまま残し、作り付けの洋服ダンスは作品をすぐに出し入れできる収納庫に活かした。表に面した外壁は自分で小手を握って塗装を仕上げた。
「人が集まる場に」との願いを込めて工房の名称は「集い」と名付けた。今後は弥生工房と両方で作品づくりに励みつつ、緞通の見学や体験ワークショップを受け入れる。赤穂緞通とともに「日本三緞通」と称される鍋島、堺の作品も展示し、織物文化の発信にも取り組む。
「もう年なので、あと何年できるか分からない」と話す根来さんだが、新工房1階のトイレは車椅子もスムーズに出入りできるバリアフリーにした。「自分自身の集大成を叶えたい」と瞳を輝かせた。
見学、体験はいずれも要予約。Tel45・0025(不在時は留守番電話のメッセージに返信)。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2020年6月20日号(2375号) 4面 (10,873,809byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
塩屋荒神社 3年ぶり屋台行事 勇壮に奉納練り [ 文化・歴史 ] 2022年10月23日早乙女たちが稲収穫「抜穂祭」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月23日名人が語る塩づくり「塩は生き物。夜泣きもする」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月23日市文化賞・スポーツ賞に5団体32個人 赤穂が生んだ文人歴史家 姫路で特別展「西山松之助」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月21日「2022赤穂市美術展」絵画、書など309点 個性豊か 名僧高僧の墨跡展 [ 文化・歴史 ] 2022年10月20日頭人行列に獅子舞 3年ぶり「神幸式」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月17日国重要無形民俗文化財「坂越の船祭」3年ぶり開催 [ 文化・歴史 ] 2022年10月10日市民文化祭の生花展「高齢化で最後」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月08日「川柳赤穂吟社」10周年記念で誌上大会 投句募集 [ 文化・歴史 ] 2022年10月08日田辺眞人氏の歴史発見講座 50人募集 風景写真西播磨 会員10人作品展 [ 文化・歴史 ] 2022年10月03日ル・ポン開幕前会見 樫本さん「人生に残るコンサートに」 [ 文化・歴史 ] 2022年09月30日ル・ポン国際音楽祭 2日開幕 赤穂公演の残席わずか
コメントを書く