御神体を特別公開 藤樹と蕃山の位牌も
2020年10月03日
秋の祭礼に合わせて特別開扉される鏡石神社の神主堂。左奥が拝殿
郷土史家の竹内良雄さん(79)=元閑谷学校資料館長=によると、池田家関係の古文書に万治3年(1660)に同神社が造営されたとの記載がある。御神体は八木淨慶という仏師が地元産の蝋石を刻んだもので普段は見ることはできない。境内にある神主堂には「日本陽明学の祖」として称えられる中江藤樹(1608―48)と、その門人で岡山藩政に大きな貢献を果たした熊沢蕃山(1619―91)の神主(儒教式の位牌)が納められている。
藤樹の神主は、輝政の孫で閑谷学校を開いた初代岡山藩主、池田光政(1609―82)が蕃山の師である藤樹の遺徳を偲ぶために作らせ、岡山城西の丸に設けた厨子に日々香を手向けたという。光政没後に池田家ゆかりの同神社に移された。1990年に蕃山の神主が子孫から託されてからは師弟並んで安置されている。
神社総代の江見准一さん(70)の話では、地域では昔から「神主堂に礼拝すると頭が良くなる」と言い伝えられ、かつては堂宇の周りを時計回りに回って手を合わせる子どもたちの姿が見られたという。しかし、近年は地元住民でも由来を知る人は少なくなった。郷土の文化財として顕彰しようという機運が総代会を中心に高まり、今年2月の祈年祭で神主堂を初めて一般公開。2度目の公開となる今回は午前9時から正午まで開扉し、11時に神事を行う。
「公開が郷土の歴史を後世に伝える一助になれば」と江見さん。淨慶の末裔にあたる八木礼子さん(91)は「関心をもっていただけるとありがたい」と話している。
鏡石神社は山陽自動車道備前インターチェンジの北西約500メートル。当日は神社の南約400メートルに臨時駐車場と仮設トイレあり。神社まで緩やかな未舗装路を上る。問い合わせは江見さんTEL090・3749・3566。
<前の記事 |
関連サイト:
■鏡石神社の地図
掲載紙面(PDF):
2020年10月3日号(2387号) 3面 (8,274,756byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
『民謡と民俗の祭典』11月6日開催 写真で回顧「赤穂線を走った汽車・電車」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月28日第33回MOA美術館赤穂児童作品展の入賞者 塩屋荒神社 3年ぶり屋台行事 勇壮に奉納練り [ 文化・歴史 ] 2022年10月23日早乙女たちが稲収穫「抜穂祭」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月23日名人が語る塩づくり「塩は生き物。夜泣きもする」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月23日市文化賞・スポーツ賞に5団体32個人 関福大で11月20日 養老孟司氏の講演会 赤穂が生んだ文人歴史家 姫路で特別展「西山松之助」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月21日「2022赤穂市美術展」絵画、書など309点 個性豊か 名僧高僧の墨跡展 [ 文化・歴史 ] 2022年10月20日頭人行列に獅子舞 3年ぶり「神幸式」 [ 文化・歴史 ] 2022年10月17日「高知の塩づくり名人」福浦で講演会 [ イベント ] 2022年10月12日国重要無形民俗文化財「坂越の船祭」3年ぶり開催 [ 文化・歴史 ] 2022年10月10日15・16日「備前焼まつり」2割引で販売 [ イベント ] 2022年10月10日
コメント
今度、閑谷へ行く時は是非とも確認したいと思います????
この度は貴重な情報、ありがとうございました。
4 0
投稿:一市民 2020年10月03日コメントを書く