大正初期の八幡宮祭礼 絵葉書が現存
2020年10月24日
大正初期の祭礼行事を撮影した絵葉書の一枚=同博物館提供
うち4枚は秋祭りの「神幸式」の光景を撮したもので、境内を埋め尽くす見物客の間を祭礼の行列が繰り出す様子が写っている。画像を確認した中村良廣宮司(70)によると、初見の画像もあるといい、「今年の祭礼はコロナの影響で開催できなかったが、貴重な資料が見つかってありがたい」と話している。
同博物館が所蔵する絵葉書資料には全国の神社や寺院、祭典や行事などが記録されており、同大学研究開発推進機構学術資料センターの研究事業として、2009年に開設したデジタル・ミュージアムで画像を順次公開している。八幡宮の絵葉書は、今年度、近畿・中国地方の資料公開を進める中で確認された。
5枚の絵葉書(いずれも約9センチ×約14センチ)は活字の書体や宛名面のデザインなどから同時に発行されたものとみられる。「赤穂尾崎八幡神社」のタイトルの1枚は神社に向かって左斜め前から全景を撮影したもの。あと4枚は「赤穂尾崎八幡神社祭典」の件名で「其一」から「其四」まであり、頭人行列や獅子舞、神輿、昭和30年代まであった大屋台がそれぞれ写っている。境内は群衆で埋まり、地元の名士が見物したと伝えられる仮設の桟敷席も。5枚とも同神社の参拝記念スタンプが押印されている。
撮影年代の記載はないが、中村宮司によれば、大正4年10月に拝殿前に植樹されたソテツが土台すら写っていない一方、同2年10月に改修したとの記録がある本殿屋根は葺き替えて間もない状態のように見える。また、宛名面は明治40年から大正6年の間に発行された形式であることから、「本殿屋根の新調に合わせて絵葉書を作ったのではないか」(中村宮司)と推測する。
データベース化のプロジェクトを担当する同大学神道文化学部の黒崎浩行教授によると、八幡宮絵葉書資料は、近代神道史学研究の第一人者である宮地直一博士(1886―1949)が収集した資料の中にあったという。博物館から画像の提供を受けた中村宮司は「当時の祭りの盛大なにぎわいが伝わる。展示の機会を検討したい」と話している。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2020年10月24日号(2389号) 1面 (4,519,018byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
駅コンコースに“忠臣蔵絵巻” 筆一筋に人生境地の94歳 [ 文化・歴史 ] 2012年11月23日パッチワークキルト作品展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月23日“最古”の内蔵助肖像画 [ 文化・歴史 ] 2012年11月22日豊原国周の義士浮世絵展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月22日神戸の風景画など小品展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月20日7歳と5歳の兄弟 民謡初舞台 古墳中期の勾玉など発掘速報展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月17日元禄赤穂事件の英訳本発刊 [ 文化・歴史 ] 2012年11月17日作業学習に「赤穂緞通」導入 [ 文化・歴史 ] 2012年11月10日播磨と備前 国境石探訪ツアー 船檀尻が64年ぶりの海上公演 写真で辿る相生の変遷 [ 文化・歴史 ] 2012年11月03日「白いチョークの会」会員展 [ 文化・歴史 ] 2012年11月02日坂越で3日、船檀尻の復活公演
コメント
屋台練りに特徴がある様です。
写真では、練り棒に人がさわっておらず、泥台を支えている様に見えます。飾磨の台場練りに似ていたのか?
1 0
投稿:屋台練り 2020年10月24日1 0
投稿:赤穂民報 2020年10月24日0 0
投稿:頭人 2020年10月24日コメントを書く