赤穂中央病院に聞く コロナ診療の状況〜前編
2021年03月13日
コロナ関連の情報を書き出した職員用食堂
取材を申し入れた医療機関のうち、赤穂中央病院から協力が得られ、長尾俊彦院長、COVID―19対策チームリーダーの矢部博樹副院長、山本美和子事務部長、感染管理認定看護師の勝平真司さんに話を聞いた。
* * *
――まず、コロナ診療に関するこれまでの対応を教えてください
「第1波の昨年4月の時点で発熱外来と帰国者接触者外来を立ち上げました。院内感染防止の取り組みでは、当初は感染対策チームのみで活動していましたが、情報を各現場へ周知する作業だけでかなりの時間と労力を要していたので、すべての部署からメンバーを集めた『COVID―19対策チーム』を6月に発足しました」
――どんなメンバーですか
「副院長、看護課長、医療安全担当と院内感染管理担当者の4人をコアメンバーに、各部署の課長または係長をサポートメンバーとして構成しました。毎週木曜日の夕方に約1時間、職員用食堂に集合して対策方針を話し合うようにしました。検討した内容はすべてホワイトボードに書き出し、職員が方向性を把握できるように可視化しています」
――発熱外来はどこに設置されているのですか
「当初は赤穂はくほう会病院側の駐車場に張ったテントで行っていました。でも、風の影響を受けますので、きちんと整備しようということになりまして、9月中旬に中央病院本館駐車場の一角にコンテナ式の発熱外来を開設しました」
――風評被害はなかったですか
「気にされる患者さんもおられますが、これだけコロナが世界全体の問題となっている中で、当院くらいの規模の医療機関がコロナ診療を行っていないというのはありえないわけで。兵庫県から要請を受けて引き受けました。感染防止対策を徹底することで安心と理解をしていただけたと思います。また、病棟とは別に独立して発熱外来を設置したことでゾーンニングが明確になり、動線が交わることもなくなったので、むしろ安心感につながったのではないでしょうか」
――入院も受け入れていますか
「これも県の要請を受けて12月7日から受け入れました。病棟の一部を間仕切りして陰圧装置を設置して、受け入れ可能な病床を4床確保しました」
――これまでに受け入れた患者数は何人でしょうか
「25名です(2月24日時点)。軽症4名、中等症I(肺炎)が16名、中等症II(呼吸不全)が5名。重症化した場合は県の指定する医療機関に転送するのですが、それが3例ありました。重症から回復した患者さんの受け入れにも協力しています。24名の方が退院され、現在入院されている患者さんはお1人です。2月中旬までは満床が続きましたが、その後は落ち着いています」
――重症化した方を転院する場合はどのように搬送するのですか
「赤穂市消防の救急車で搬送することになります。救急隊員の方も、同乗するドクターも道中は防護服を着たまま長距離を移動しなければならないので、とても大変です。当初は、例えば尼崎まで往復する間もトイレにも行けなかったのですが、それはあまりに過酷だということで、患者さんを降ろしたら車内を消毒した上で防護服を脱いで帰路についてよいようになりました」(次号へ続く)
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投稿:お金 2021年03月13日コメントを書く