夢や目標持てない子ども 家計が影響
2019年11月30日
子どもの貧困が社会問題となる中、赤穂市が今年度初めて実施した「子どもの生活実態調査」で、所得が相対的に低い世帯の児童生徒は、経済的理由で自身の進路が制限されていると感じ、将来の夢や目標を持てない傾向があることがわかった。
調査は、第2期子ども・子育て支援事業計画を策定するにあたり、子育て世帯の経済状況を含めた生活実態を把握するために市内在住の小学5年生と中学2年生の世帯計796世帯を対象に今年7月実施。53・6%の427世帯から回答があった。国の基準などに従い、例えば4人家族の場合で年収250万円未満を「相対的貧困世帯」(以下貧困世帯)と区分。今回回答した世帯の中では38世帯が該当し、貧困率は8・9%となった。
児童生徒に尋ねたアンケートで、「お金のことで、進路を制限されていると感じることはあるか」の問いでは貧困世帯の29・0%が「ある」「少し感じる」と回答。貧困でない世帯の6・2%を上回った。一方、「将来の夢や目標があるか」の問いで「ない」「どちらかというとない」と答えた割合をみると、貧困世帯は29・0%だったのに対し、貧困でない世帯は16・1%だった。
また、保護者対象のアンケートでは、貧困世帯の約3割が「お金が足りなくて、家族が必要とする食料が買えないことがあった」と回答。約6割が「忙しさのために、子どもと話ができないと思うことがある」と答えた。「困ったときや悩みがあるときに、相談できる人」については15・8%が「特にいない」とし、いずれも貧困でない世帯よりも割合が高かった。また、貧困世帯の23・7%が「子育てに関わってから自殺を考えたことがある」と答えた。
調査結果について総括した関西福祉大学社会福祉学部の中村剛学部長は「生まれ育った家庭に左右されることなく希望をもって生きることができるよう、困窮家庭の子どもへの支援が必要だ。保護者の養育環境を改善するためのソーシャルワーク機能の充実も望まれる」と第2期計画への反映を提言している。
掲載紙面(PDF):
2019年11月30日号(2349号) 1面 (12,536,879byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
調査は、第2期子ども・子育て支援事業計画を策定するにあたり、子育て世帯の経済状況を含めた生活実態を把握するために市内在住の小学5年生と中学2年生の世帯計796世帯を対象に今年7月実施。53・6%の427世帯から回答があった。国の基準などに従い、例えば4人家族の場合で年収250万円未満を「相対的貧困世帯」(以下貧困世帯)と区分。今回回答した世帯の中では38世帯が該当し、貧困率は8・9%となった。
児童生徒に尋ねたアンケートで、「お金のことで、進路を制限されていると感じることはあるか」の問いでは貧困世帯の29・0%が「ある」「少し感じる」と回答。貧困でない世帯の6・2%を上回った。一方、「将来の夢や目標があるか」の問いで「ない」「どちらかというとない」と答えた割合をみると、貧困世帯は29・0%だったのに対し、貧困でない世帯は16・1%だった。
また、保護者対象のアンケートでは、貧困世帯の約3割が「お金が足りなくて、家族が必要とする食料が買えないことがあった」と回答。約6割が「忙しさのために、子どもと話ができないと思うことがある」と答えた。「困ったときや悩みがあるときに、相談できる人」については15・8%が「特にいない」とし、いずれも貧困でない世帯よりも割合が高かった。また、貧困世帯の23・7%が「子育てに関わってから自殺を考えたことがある」と答えた。
調査結果について総括した関西福祉大学社会福祉学部の中村剛学部長は「生まれ育った家庭に左右されることなく希望をもって生きることができるよう、困窮家庭の子どもへの支援が必要だ。保護者の養育環境を改善するためのソーシャルワーク機能の充実も望まれる」と第2期計画への反映を提言している。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2019年11月30日号(2349号) 1面 (12,536,879byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
《赤穂市議選2025》定数17に立候補準備18人 [ 社会 ] 2025年01月18日阪神淡路大震災30年を前に防災教室 [ 社会 ] 2025年01月16日ブリの切り身に寄生虫 学校給食で喫食中止 [ 社会 ] 2025年01月15日人生の節目祝う「二十歳のつどい」 [ 社会 ] 2025年01月12日JA兵庫西が詐欺被害から顧客守る 赤穂署管内で年間3度目 [ 社会 ] 2025年01月06日《市民病院医療事故多発》院長命令に背き侵襲的検査12件 3件は文書通達後 日本初の坑道ラドン浴施設 開設への道のり映画化 [ 社会 ] 2025年01月01日2年後の赤穂高100周年へ実行委発足 [ 社会 ] 2025年01月01日堀米雄斗も挑んだ「キッズスケーターの登竜門」へ塩屋の上住颯真君 《市民病院医療事故多発》医療ミスの脳外科医 業務上過失傷害罪で在宅起訴〜神戸地検姫路支部 有年小児童が干支の大絵馬 地元神社に掲出 [ 子供 ] 2024年12月25日《市民病院医療事故多発》「膿出し切る必要」現役医師が提言 [ 社会 ] 2024年12月21日市教委サーバがウイルス感染 一部データに障害 役者魂貫いた元赤穂観光大使 故木下通博さんの冥福祈る [ 社会 ] 2024年12月14日職員不祥事受け給与5%カット 市長「道義的責任」 [ 社会 ] 2024年12月12日
コメントを書く