「忠臣蔵」演じた役者名鑑 2万人超収録
2021年06月05日
名鑑『忠臣蔵と四谷怪談を演じた役者たち』を刊行した矢野圭吾さん
A4判上下巻で計1582ページ。宝永5年(1708)に京都・亀屋座で上演された『福引閏正月(ふくびきうるうのしょうがつ)』から平成31年に国立劇場であった『御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)』まで延べ8901件の演目に出演した役者・俳優延べ2万0427人を五十音順で収録。名前、生没年、上演年月日、作品名と役名などを列記している。
元赤穂市職員の矢野さんは市史編さん担当課長として30歳から28年間勤務し、『赤穂市史』の編集業務を担当した。続編の『忠臣蔵』(全7巻)の編さんの一環で忠臣蔵にまつわる芸能作品を調査。歌舞伎をはじめ喜劇やミュージカルなどの舞台芸術に映画、ドラマだけでなく劇中劇や海外のオペラまで丹念に調べた。新聞の文化欄やテレビ欄で「忠臣蔵」の文字を探すことが習慣となり、退職後もライフワークとして続けたという。
市史続編の『忠臣蔵』は歌舞伎や映画などを作品年代別に掲載しているが、人名別に分類した書籍や資料は「これまではなかった」(矢野さん)という。刊行した名鑑なら役者ごとに出演作品を調べることができるため、実際の舞台では演じていない役柄を描いた「見立絵」を区別するのに役立つ。また、忠臣蔵関連作品に最も多く出演した役者(初代中村鴈治郎で172回)や、一人の役者が同じ日に2つの劇場を掛け持ちで出演している事例もわかったという。
「長年取り組んできた証になれば」と2017年から出版に向けた準備に取りかかり、5年がかりで完成。矢野さんは「今後の『忠臣蔵』研究を進める一助になればうれしい」と話している。100セット刊行し、市立図書館などに寄贈。希望者に1セット2万3000円で頒布する。問い合わせはTel090・6325・6341。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2021年6月5日号(2419号) 2面 (6,435,561byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
東備西播3市町の文化財ツアー 小堀遠州の水琴窟を再現 [ 文化・歴史 ] 2016年12月10日「今の自分」言葉で刻む [ 文化・歴史 ] 2016年12月10日力作820点 義士祭学童書道展 義士関連資料を歴博へ寄贈 [ 文化・歴史 ] 2016年12月08日名優勢揃い 忠臣蔵の役者絵展 [ 文化・歴史 ] 2016年12月07日伝統話芸のおもしろさ体験 [ 文化・歴史 ] 2016年12月05日二之丸庭園 13日から部分公開 [ 文化・歴史 ] 2016年12月03日赤穂富士習字作品展の入賞者 [ 文化・歴史 ] 2016年11月30日クラシックピアノの全国コンクールへ 秦氏ゆかりの史跡を探訪 [ 文化・歴史 ] 2016年11月27日最後の忠臣蔵検定104人挑戦 [ 文化・歴史 ] 2016年11月27日自筆の著書や手紙も「山鹿素行」展 [ 文化・歴史 ] 2016年11月26日昭和の西播磨 写真集刊行 三木家文書公開 討ち入りの記述も [ 文化・歴史 ] 2016年11月25日
コメントを書く