関福大リレーコラム・STEAMからみる理科教育(4)〜エネルギー編
2022年04月29日
先行きが不透明な時代に求められるSTEAM教育。STEAMとは科学(Science)のS、技術(Technology)のT、工学(Engineering)のE、芸術(Art)のA、数学(Mathematics)のMを統合させた教育です。
最終回は、「エネルギー」編。小学校6年生では「発電と電気の利用」を学びます。
身の回りには、さまざまな発電があります。例えば、太陽光発電や風力発電などです。児童は、このような事例から、どのように電気が作られるのかを学びます。身近に見られる発電をあげながら、実験用の手回し発電機で電気の仕組みを学習します。手回し発電機にプロペラがついたモーターをつけて回すと、モーターが回ります。
では、発電機の回す向きを変えるとどうなるでしょうか? 実は、先ほどと反対の向きに回ります。電流の向きが変わったのです。他にも、手回し発電機を速く回すと、モーターはより速く回ります。これは、電流の大きさが大きくなったことを意味します。
新しい教科書になってからは、電気の応用として、「人感センサー」の原理を学習します。その際に使用されるのが「プログラミング」です。小学校では、2020年度から必修になりました。理科の中では、6年生の電気の利用の単元でプログラミング的思考を学びます。
プログラミング的思考とは、例えば、「玄関に立つ」→「電気がつく」→「玄関から離れる」→「電気が消える」という考え方です。赤穂市の小学校では、プログラミング教材(レゴ)が導入され、簡易的なロボットを用いたプログラミング授業を行なっています。このような体験的な学習を通して、プログラミング的思考を身につけています。理科の授業の中に、「技術」や「工学」など教科を横断した学習が取り入れられているのです。
4回にわたり、教科横断型のSTEAM教育についてご紹介いたしました。児童が、パソコンやプログラミングを用いながら探求する授業の中で、今、何が求められているのでしょうか。それは、新たな社会で創造できる資質・能力の育成よりほかありません。(教育学部児童教育学科講師・吉澤樹理)
* * *
次回からは教育学部児童教育学科の金子美里講師が担当します。お楽しみに。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2022年4月29日号(2460号) 3面 (10,585,646byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ かしこい子育て ]
関西福祉大学リレーコラム・健康は未来へのおくりもの!(1) 2017年08月26日関西福祉大学リレーコラム「子どもの『食べられた!』を応援する」 2017年08月12日関西福祉大学リレーコラム「お母さん、安心して話してください」 2017年08月05日関西福祉大学リレーコラム「何するの? 心の準備は頑張りに変わる」 2017年07月22日関西福祉大学リレーコラム・小学校の教室から学んだこと(5) 2017年07月01日関西福祉大学リレーコラム・小学校の教室から学んだこと(4) 2017年06月03日関西福祉大学リレーコラム・小学校の教室から学んだこと(3) 2017年05月27日関西福祉大学リレーコラム・小学校の教室から学んだこと(2) 2017年05月13日関西福祉大学リレーコラム・小学校の教室から学んだこと(1) 2017年04月01日関西福祉大学リレーコラム・第5回―公共の可能性 2017年03月25日関西福祉大学リレーコラム・第4回―公共と論理 2017年03月11日関西福祉大学リレーコラム・第3回―公共と世界 2017年02月25日関西福祉大学リレーコラム・第2回―公共と自由 2017年02月04日関西福祉大学リレーコラム・第1回―公共を問い直す 2017年01月28日関西福祉大学リレーコラム・「いただきます」から始めよう 2017年01月01日
コメントを書く