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十州塩田の作業唄一堂 赤穂からも出演

 2022年09月02日 
 かつて瀬戸内各地の塩田で唄われた作業唄の伝承団体を一堂に集めた公演「十州 入浜塩田 作業唄・構築史」が高松市でこのほどあり、「赤穂濱鋤き唄保存会」(萬代新一郎会長)から12人が出演。市指定無形民俗文化財の「赤穂濱鋤き唄」などを披露した。

「赤穂濱鋤き唄」も披露された公演「十州 入浜塩田 作業唄・構築史」=実行委員会提供


 瀬戸内海沿岸部では近世以降、塩づくりの技法が広まり、播磨や備前、讃岐、伊予など10か国を指して「十州塩田」と呼ばれた。各地それぞれに作業唄があり、中には歌詞が類似するものもあることから、製塩技術の広まりとともに伝播したとみられる。

 工業化に伴う塩田廃止後、急速に作業唄が消えつつある中、2006年に高松市で「作業唄の会」が発足。各地の伝承団体と連携して唄の掘り起こしに取り組んだ。当初は一昨年に公演を開催する予定だったがコロナ禍で延期し、満を持して実現にこぎ着けた。

 公演では十数団体が計33曲を発表。すべての曲を収録したDVDを後日、各地の資料館や図書館などに寄贈するという。実行委員も務めた萬代会長は「各地に伝わる作業唄の多様性を知ることができ、大変意義ある公演だった。これを機に、今後も何らかの形で地域間の交流を続けていきたい」と連携の継続に意欲を見せた。
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