忠臣蔵のふるさと・播州赤穂の地域紙「赤穂民報」のニュースサイト
文字の大きさ

赤穂民報


  1. トップページ
  2. かしこい子育て
  3. 記事詳細

関福大リレーコラム・幸福に生きる

 2023年04月01日 
 前回は、「生きる」というテーマについてソクラテスの最期を引き合いに出しながら考えました。ソクラテスは、ただ単に生きるのではなく、よく生きることが重要と述べましたが、今回は人生の目的のひとつ、「幸福」というテーマについて、ローマのストア派の哲学者、セネカの思想から考えましょう。


 セネカは『幸福な生』という著作において、次のように論を展開しています。

 要点をかいつまんでいうと、(1)幸福に生きることは誰しも抱く願望である。(2)しかし、幸福をもたらしてくれるものが何かを考えると、その答えはなかなか見つからない。(3)そもそも幸福な生を達成することは容易ではないので、慌ててしまうと幸福な生から外れてしまう、と。

 セネカの指摘は、現代を生きる私たちも納得がいくものです。私たちは誰しも幸福になることを目指して生きていますが、やはりそれは実現が難しいものです。幸福になろうと思って色々と計画したところで、失敗に終わるのが関の山です。

 では、私たちは幸福になることができないのでしょうか。決してそうではありません。そもそもセネカが提示する「幸福」とは実はもっとシンプルなものなのです。

 セネカによれば、幸福とは、たとえば、お金持ちになったり、良い車に乗ったりなど、「所有」に関するものではなく、また、宝くじに当たったり、社会的に高い地位を得たりなど、「偶然」に得られるものではありません。そのようなものではなく、心が健全で、平静さを保ち続けること、勇敢で情熱的な精神を持っていること、自分の身体、健康に気を配り、自分が交わる人々への気遣いを忘れないことが重要であり、セネカはこれらを最高善と呼び、その探求が幸福につながると主張しています。

 新型コロナウイルス感染症の拡大やロシア・ウクライナの戦争の中で、希望が持てない暗い社会ですが、誰しも幸福な生を送れる世界が来ることを祈りたいですね。(中田浩司・教育学部児童教育学科講師)
<前の記事


掲載紙面(PDF):
2023年4月1日号(2502号) 2面 (9,714,363byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)


コメントを書く

お名前 (必須。ペンネーム可):

メールアドレス (任意入力 表示されません):

内容 (必須入力):

※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。

6 7 8 9 10 11

今週のイベント・催し
23
(月)
 
24
(火)
25
(水)
26
(木)
27
(金)
 
28
(土)
 
29
(日)

最新のコメント

  • 対立候補「支持」の牟礼正稔・赤穂市長「信念に基づいて行動」「選挙終わればノーサイド」←赤穂も改革しよう!(11/22)
  • 齋藤県政2期目 長岡県議「是々非々で対応」←市民2(11/22)
  • 【社説】投票3日前の異例の支持表明 牟礼市長は市民に説明を←赤穂を大事にする会(11/22)

各種お申込み

以下より各お申込み、資料請求フォームにリンクしています。ご活用下さい。

スマホサイトQRコード

スマホ用URLをメールでお知らせ!
e-mail(半角入力)


ドメイン指定受信をされている方は「@ako-minpo.jp」を指定してください。

閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警
閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警